プレゼンテーションの質を格段に向上させるPowerPointのアニメーション機能。スライド上でオブジェクトを動かしたり、順番に出したりすることで、聴衆の理解を助け、注目を引きつけることができます。中でも、一つのオブジェクトを消すと同時に別のオブジェクトを出す、という切り替えの演出は、情報を段階的に見せたり、ビフォーアフターを効果的に示したりする際に非常に強力です。しかし、このパワポのアニメーションで出して消す操作や、パワポでアニメーションを複数同時に動かす設定がうまくいかず、プレゼンの流れがぎこちなくなってしまった経験はないでしょうか。パワーポイントのアニメーションで消すタイミングを調整したり、パワーポイントでアニメーションを最初は非表示にしたりと、思い通りの演出にはいくつかのコツが必要です。この記事では、パワポのアニメーションでオブジェクトを消すと同時に出すという、一見複雑に見える操作を、誰でも簡単に設定できる方法を詳しく解説していきます。
この記事を読むことで、あなたは以下の点を理解できるでしょう。
・PowerPointでオブジェクトを「消す」アニメーションと「出す」アニメーションを同時に実行する具体的な手順
・複数のアニメーションのタイミングを自在に操る「アニメーションウィンドウ」の活用法
・オブジェクトを順番に出したり、出して消したりする応用的なアニメーション設定
・より洗練されたプレゼンテーションを可能にするアニメーションの組み合わせテクニック
パワポのアニメーションで消すと同時に出すための基本設定
ここでは、パワポのアニメーション機能を使い、一つのオブジェクトを消し、それと同時に別のオブジェクトを出現させるという、プレゼンテーションで非常に役立つテクニックの基本設定について説明していきます。この基本をマスターすれば、表現の幅が大きく広がります。順に見ていきましょう。
まずはここから!アニメーションの基本的な追加方法
アニメーションウィンドウを制してタイミングを操る
パワポのアニメーションで複数を同時に動かす設定
基礎となるパワーポイントのアニメーションで順番に出す方法
重要!パワーポイントのアニメーションの消すタイミング
パワーポイントのアニメーションでオブジェクトを最初は非表示にする
まずはここから!アニメーションの基本的な追加方法
PowerPointでアニメーションを使いこなすための第一歩は、オブジェクトにアニメーション効果を追加する基本的な方法を理解することです。アニメーションは、テキストボックス、図形、画像、グラフなど、スライド上のあらゆるオブジェクトに設定できます。まず、アニメーションを設定したいオブジェクトをクリックして選択します。次に、画面上部のリボンから「アニメーション」タブをクリックしてください。すると、様々なアニメーション効果が一覧で表示されます。アニメーション効果は、大きく分けて「開始」「強調」「終了」「アニメーションの軌跡」の4種類があります。「開始」はオブジェクトをスライド上に登場させる効果、「終了」はスライド上から消す効果です。「強調」はすでに表示されているオブジェクトを目立たせる効果で、「アニメーションの軌跡」はオブジェクトを特定の経路上で移動させます。一覧から好みの効果(例えば「フェード」や「スライドイン」など)をクリックするだけで、選択したオブジェクトにアニメーションが適用され、オブジェクトの左上に小さな数字が表示されます。この数字は、アニメーションが実行される順番を示しています。これが、すべてのアニメーション設定の基本となる操作です。
アニメーションウィンドウを制してタイミングを操る
PowerPointで複数のアニメーションを組み合わせたり、タイミングを細かく調整したりするためには、「アニメーションウィンドウ」の活用が不可欠です。これは、スライドに設定されたすべてのアニメーションを一覧で管理し、編集するための専門的なパネルといえます。「アニメーション」タブの中にある「アニメーションウィンドウ」ボタンをクリックすると、画面の右側にこのウィンドウが表示されます。ウィンドウ内には、設定したアニメーションがリスト形式で表示され、それぞれにオブジェクト名や適用された効果のアイコン、再生時間を示すタイムラインバーが確認できます。このウィンドウを使う最大のメリットは、アニメーションの開始タイミングを精密にコントロールできることです。各アニメーション項目を右クリックするか、リストで選択して上部のドロップダウンメニューを開くと、「クリック時」「直前の動作と同時」「直前の動作の後」という三つの選択肢が現れます。これらの設定を駆使することで、単に順番に実行するだけでなく、複数の動きを同時に開始させたり、一つの動きが終わった直後に次の動きを自動で開始させたりといった、複雑な連携を実現できます。
パワポのアニメーションで複数を同時に動かす設定
プレゼンテーションで、二つ以上のオブジェクトを完全に同じタイミングで動かしたい、という場面はよくあります。例えば、画像とそれに対応する説明文を同時にフェードインさせたい場合などです。パワポでアニメーションを複数同時に動かす設定は、「アニメーションウィンドウ」を使えば非常に簡単です。まず、同時に動かしたいすべてのオブジェクトに、それぞれ個別にアニメーションを設定します。この時点では、クリックするたびに一つずつ順番に動く設定になっています。次に、「アニメーションウィンドウ」を開きます。リストに表示されたアニメーションのうち、2番目以降のアニメーションを選択します。ShiftキーやCtrlキーを使えば、パワポでアニメーションの複数選択が可能です。そして、選択したアニメーションの開始タイミングを、デフォルトの「クリック時」から「直前の動作と同時」に変更します。すると、リスト上ではそれらのアニメーションの開始位置が揃い、タイムラインバーが重なって表示されます。これで、最初のオブジェクトのアニメーションが開始されると同時に、他のオブジェクトのアニメーションも一斉にスタートするようになります。この「直前の動作と同時」は、本記事のテーマである「消すと同時に出す」を実現するための核となる機能です。
基礎となるパワーポイントのアニメーションで順番に出す方法
複数のオブジェクトを一つずつ、順番に表示させていくのは、プレゼンテーションで最もよく使われるアニメーションの形式です。聞き手の視線を誘導し、話の流れに合わせて情報を段階的に開示することで、内容の理解を深める効果があります。パワーポイントでアニメーションを順番に出す設定は、アニメーションの基本中の基本といえるでしょう。各オブジェクトに「開始」のアニメーション(例えば「アピール」や「ワイプ」など)を設定していくだけで、デフォルトではクリックするごとに順番に表示されるようになっています。アニメーションウィンドウで見ると、各アニメーションの開始タイミングは「クリック時」に設定されており、それぞれに1、2、3…と連番が振られています。もし、クリック操作なしで、前のオブジェクトが表示された後に自動で次のオブジェクトを表示させたい場合は、タイミングを変更します。2番目以降のアニメーションの開始タイミングを「直前の動作の後」に設定してください。こうすることで、一つ目のアニメーションが完了した直後に、間髪入れずに二つ目のアニメーションが自動で開始されます。この一連の流れを繰り返すことで、クリック一回で複数のオブジェクトがテンポよく順番に表示される、という演出が可能になります。
重要!パワーポートのアニメーションの消すタイミング
オブジェクトを表示させる「開始」効果と同様に、スライドから消す「終了」効果のタイミングも、プレゼンテーションの流れをコントロールする上で非常に重要です。パワーポイントでアニメーションの消すタイミングを調整することで、情報の提示を整理し、スライドをすっきりと見せることができます。例えば、一つのトピックの説明が終わったタイミングで、関連する図やテキストを消去し、次のトピックに聴衆の注意を切り替えさせるといった使い方です。タイミングの設定方法は、開始効果の場合と全く同じです。「アニメーションウィンドウ」で、設定した「終了」効果のアニメーションを選択し、開始タイミングを「クリック時」「直前の動作と同時」「直前の動作の後」から選びます。例えば、「クリック時」に設定すれば、任意のタイミングでクリックすることでオブジェクトを消すことができます。「直前の動作の後」を選び、その直前の動作が別のオブジェクトの「開始」効果だった場合、そのオブジェクトが現れた直後に、対象のオブジェクトが自動的に消える、という連携も可能です。さらに、「効果のオプション」やタイムラインバーで「遅延」の時間を設定すれば、何らかのアクションが起きてから数秒後に消す、といった細かな時間差の演出も実現できます。
パワーポイントのアニメーションでオブジェクトを最初は非表示にする
スライドショーを開始したとき、特定のオブジェクトを最初から表示させず、クリックなどのアクションをきっかけに初めて登場させたい、という場合があります。パワーポイントでアニメーションを最初は非表示にする最も簡単な方法は、そのオブジェクトに何らかの「開始」のアニメーション効果を設定することです。例えば、「フェード」や「スライドイン」といった効果をオブジェクトに適用するだけで、スライドが切り替わった直後の状態ではそのオブジェクトは表示されず、アニメーションが実行されるタイミングで初めて姿を現します。これはアニメーション機能の基本的な仕様です。したがって、特別な設定をしなくても、「開始」アニメーションが設定されたオブジェクトは、そのアニメーションが実行されるまで非表示の状態を保ちます。もし、アニメーションを使わずにオブジェクトを隠しておき、後から表示させたい、という少し特殊なケースであれば、「オブジェクトの選択と表示」作業ウィンドウを使う方法も考えられます。このウィンドウでオブジェクトの横にある目のアイコンをクリックすると、そのオブジェクトの表示・非表示を切り替えられますが、これは編集時の機能であり、スライドショー中の動的な表示切り替えにはアニメーション機能を使うのが一般的です.
パワポのアニメーションで消すと同時に出すための応用テクニック
ここでは、パワポのアニメーションを使いこなすための応用的なテクニックや、特定の状況下での設定方法について解説します。基本設定を組み合わせることで、より複雑でプロフェッショナルな演出が可能になります。一つずつ確認していきましょう。
パワポのアニメーションで「出して消す」の組み合わせ方
パワーポイントのアニメーションで移動を2段階に設定する
パワポのアニメーションを複数選択して一括で設定する
パワポのアニメーションを同時にiPadでも設定できるか
アニメーションの「効果のオプション」で演出を豊かに
パワポのアニメーションで消すと同時に出す技の総まとめ
パワポのアニメーションで「出して消す」の組み合わせ方
一つのオブジェクトに対して、登場させてから一定時間後に自動的に消す、というパワポのアニメーションで出して消す演出も頻繁に利用されます。例えば、注意を喚起するアイコンを数秒間だけ表示させたい場合などです。この設定には、「アニメーションの追加」機能が鍵となります。まず、オブジェクトに「開始」の効果(例:アピール)を設定します。次に、同じオブジェクトが選択された状態で、「アニメーション」タブの「アニメーションの追加」ボタンをクリックします。これは非常に重要なポイントで、リボン中央のアニメーション一覧から選ぶと、既存のアニメーションが上書きされてしまうため、必ず「アニメーションの追加」から2つ目以降の効果を選びます。ここで、「終了」の効果(例:ディゾルブアウト)を追加してください。「アニメーションウィンドウ」を見ると、同じオブジェクトに二つのアニメーションが設定されているのが分かります。そして、2番目に追加した「終了」効果の開始タイミングを「直前の動作の後」に設定します。さらに、表示させておく時間を調整するために、「遅延」の項目に秒数を入力します(例:2秒)。これで、クリックするとオブジェクトが現れ、2秒後に自動的に消える、という一連の動作が完成します。
パワーポイントのアニメーションで移動を2段階に設定する
オブジェクトをある場所から別の場所へ移動させ、さらにそこから第三の場所へと、段階的に移動させたい場合があります。このようなパワーポイントでアニメーションの移動を2段階、あるいはそれ以上に設定するには、前項の「出して消す」と同様に「アニメーションの追加」機能を使います。まず、オブジェクトに一つ目の「アニメーションの軌跡」(例えば「直線」)を設定し、移動の終点を決めます。次に、同じオブジェクトを選択したまま、「アニメーションの追加」から再度「アニメーションの軌跡」を追加します。すると、一つ目の軌跡の終点から始まる、二つ目の移動軌跡が自動的に設定されます。この二つ目の軌跡の終点を、目的の第三の場所へドラッグして調整します。「アニメーションウィンドウ」で、二つ目の移動アニメーションの開始タイミングを「直前の動作の後」に設定すれば、クリック一つで、オブジェクトが第一の移動を終えた後、間を置かずに第二の移動を開始する、という連続した動きが実現できます。このテクニックは、プロセスの流れを説明したり、キャラクターを動かしたりする際に非常に効果的で、プレゼンテーションに物語性を持たせることができます。
パワポのアニメーションを複数選択して一括で設定する
複数のオブジェクトに全く同じアニメーション効果やタイミングを適用したい場合、一つずつ設定していくのは非常に手間がかかります。このようなときは、パワポでアニメーションを複数選択し、一括で設定を行うと効率的です。まず、スライド上で設定対象のオブジェクトを複数選択します。キーボードの「Shift」キーまたは「Ctrl」キーを押しながら各オブジェクトをクリックしていくことで、複数のオブジェクトを同時に選択状態にできます。あるいは、マウスをドラッグして、対象となるすべてのオブジェクトを囲むように選択する方法もあります。オブジェクトを複数選択した状態で、「アニメーション」タブから任意のアニメーション効果をクリックすると、選択されているすべてのオブジェクトに、その効果が一括で適用されます。このとき、「アニメーションウィンドウ」を見ると、選択したオブジェクトの数だけアニメーションが追加されているのが確認できます。タイミングや継続時間などの詳細設定も、複数選択した状態で変更すれば、すべてに同時に反映されます。この一括設定は、特に多くの図形やアイコンを同じように動かしたい場合に、作業時間を大幅に短縮してくれる便利な機能です。
パワポのアニメーションを同時にiPadでも設定できるか
近年、iPadをはじめとするタブレット端末でプレゼンテーション資料を作成・編集する機会が増えています。では、これまで解説してきたような、パワポのアニメーションを同時にiPadで設定することは可能なのでしょうか。結論から言うと、iPad版のPowerPointアプリでも、アニメーションの追加やタイミングの設定は可能です。デスクトップ版(WindowsやMac)と全く同じ機能がすべて使えるわけではありませんが、基本的な機能は網羅されています。オブジェクトを選択して「アニメーション」タブをタップすると、「開始効果」「強調効果」「終了効果」などを選ぶことができます。「アニメーションウィンドウ」に相当する機能もあり、そこでアニメーションの順番を入れ替えたり、開始タイミングを「タップ時」「直前と同時」「直前の後」から選択したりできます。したがって、本記事のテーマである「消すと同時に出す」設定も、iPad上で実現することが可能です。ただし、画面の大きさや操作性の違いから、デスクトップ版に比べて細かい調整はやや行いにくいと感じるかもしれません。複雑なアニメーションを組む際はPCで、簡単な修正や確認はiPadで、といったように使い分けるのが現実的かもしれません。
アニメーションの「効果のオプション」で演出を豊かに
アニメーション効果を適用した後、もう一歩踏み込んで演出を豊かにしたい場合に役立つのが「効果のオプション」です。これは、選択したアニメーションの種類に応じて、動きの方向やシーケンスなどを細かくカスタマイズできる機能です。「アニメーション」タブの中に「効果のオプション」というボタンがあり、アニメーションを設定したオブジェクトを選択するとアクティブになります。例えば、「スライドイン」という開始効果を選んだ場合、「効果のオプション」からは「下から」「左から」といったように、オブジェクトが登場する方向を変更できます。「ワイプ」であれば拭う方向、「スピン」であれば回転の角度を指定できます。さらに、テキストボックスに設定した場合、「オブジェクトごと」に加えて「単語単位」や「文字単位」でアニメーションを適用させることもでき、タイプライターのような演出も可能です。グラフに適用すれば、系列ごとや項目ごとに順番に表示させるなど、より効果的なデータの見せ方ができます。これらのオプションを適切に設定することで、ありきたりなアニメーションに個性を加え、プレゼンテーション全体の質をさらに高めることができるでしょう。
パワポのアニメーションで消すと同時に出す技の総まとめ
今回はパワポのアニメーションでオブジェクトを消すと同時に出す方法を中心にお伝えしました。以下に、本記事の内容を要約します。
・「消して同時に出す」には「終了効果」と「開始効果」を組み合わせる
・二つのオブジェクトを同じ位置に重ねておくのが基本
・消すオブジェクトに「終了効果」を追加する
・出すオブジェクトに「開始効果」を追加する
・「アニメーションウィンドウ」でタイミングを調整するのが核心
・出す側のアニメーションの開始タイミングを「直前の動作と同時」に設定
・複数のアニメーションを同時に動かすにはこの設定を応用する
・順番に出すには「直前の動作の後」を選択する
・「アニメーションの追加」で一つのオブジェクトに複数の効果を設定可能
・「出して消す」には「開始効果」と「終了効果」を同じオブジェクトに追加する
・2段階の移動も「アニメーションの追加」で軌跡を追加して実現する
・ShiftキーやCtrlキーで複数オブジェクトを選択し一括で設定可能
・iPad版パワポでも基本的なアニメーション設定やタイミング調整はできる
・「効果のオプション」でアニメーションの方向などをカスタマイズできる
・パワーポイントでアニメーションを最初は非表示にするには「開始」効果を設定する
これらのテクニックを組み合わせることで、単調なスライドが、聴衆の心をつかむダイナミックなプレゼンテーションへと変わる可能性があります。ぜひ、今回紹介した方法を試してみて、あなたのプレゼンテーションを一段上のレベルへと引き上げてください。最後までお読みいただき、ありがとうございました。
これはCTAサンプルです。
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