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エクセルで図形を透過させる方法は?背景が透ける設定を分かりやすく解説!

エクセルを使っていると、作成した図形や画像が下の文字やセルを隠してしまい、困った経験はないでしょうか。資料作成において、図形の配置や配色は視認性を高める重要な要素です。特に、図形を透過させるテクニックを習得すると、文字の上に図形を重ねて強調したり、背景を透かしておしゃれなデザインに仕上げたりすることが可能になります。しかし、エクセルのバージョンや図形の種類によっては、透過の設定場所が分かりにくかったり、思ったように透けなかったりすることもあるかもしれません。

この記事では、エクセルで図形や画像を透過させるための基本的な手順から、うまくいかない時の対処法、さらには応用的なデザインテクニックまで幅広く解説します。初心者の方でも迷わずに設定できるよう、具体的な操作方法やメニューの場所についても詳しく触れていきます。

この記事を読むことで、以下のメリットが得られます。

・ エクセルの図形を透過させる基本的な設定手順が理解できる

・ 画像や塗りつぶしの透過ができない原因と解決策が分かる

・ 透過率やグラデーションを活用した見やすい資料作成のコツが掴める

・ パワーポイントとの違いや連携を含めた応用スキルが身につく

エクセルで図形の透過を設定する基礎知識

ここではエクセルの図形を透過させるための基本的な知識や具体的な設定方法について説明していきます。エクセルの機能である「図形の書式設定」を使いこなすことで、単色塗りつぶしだけでなく、様々なパターンの透過表現が可能になるかもしれません。まずは基本となる操作をマスターし、徐々に応用的な設定へとステップアップしていくのが良いでしょう。ここでは、以下の6つの項目について順に見ていきましょう。

・ 塗りつぶし設定で透過率を調整する

・ エクセルの図形で斜線を透過させる

・ エクセルの図形を透過するパターン

・ セルの塗りつぶしと透過率の関係

・ エクセルの図が透過できない場合

・ グラデーションを活用した半透明表現

塗りつぶし設定で透過率を調整する

エクセルで図形を透過させる最も基本的な方法は、塗りつぶしの色設定にある「透過性」の数値を変更することです。まずは対象となる図形を選択し、右クリックで表示されるメニューから「図形の書式設定」を開きます。画面の右側に作業ウィンドウが表示されるはずですので、その中にあるバケツのマーク(塗りつぶしと線)を選択してください。

ここにある「塗りつぶし(単色)」という項目を選ぶと、色の選択パレットの下に「透明度」というスライダーが表示されます。このスライダーを右に動かすか、数値を直接入力することで、0%から100%の間で自由に透過率を設定することが可能です。例えば、透過率を50%程度に設定すると、図形の色が半透明になり、背面のセルに入力された文字や罫線が透けて見えるようになるでしょう。

この機能は、特定のデータを囲んで強調したい場合や、グラフの上に注釈を重ねたい場合などに非常に役立ちます。ただし、透過率を高くしすぎると図形自体の色が薄くなりすぎてしまい、本来の強調する目的が果たせなくなる可能性もあります。背景色とのバランスを見ながら、適切な数値を探ってみるのがポイントです。また、複数の図形を重ねる場合も、それぞれの透過率を変えることで奥行きのある表現ができるかもしれません。

エクセルの図形で斜線を透過させる

エクセルで図形に斜線(パターン)を適用しつつ、その背景を透過させたいと考える場面があるかもしれません。しかし、標準の「塗りつぶし(パターン)」機能では、斜線の色と背景色を個別に設定することはできても、全体の透明度を一括で調整するスライダーが表示されないことがあります。これが、エクセルの図形で斜線を透過させようとした際につまずきやすいポイントの一つです。

このような場合、工夫次第で斜線の透過表現が可能になります。一つの方法は、図形の塗りつぶしに「パターン」ではなく、あらかじめ作成した「透過背景の斜線画像」を読み込む方法です。「塗りつぶし(図またはテクスチャ)」を選択し、画像ソースとして透過PNG形式の斜線画像を挿入すれば、背景が透けた斜線図形が完成します。

また、別の方法として、図形そのものの透明度を変えるのではなく、斜線の色自体を薄い色に設定することで、視覚的に透過しているかのように見せるテクニックもあります。あるいは、図形を2つ重ねる方法も考えられます。下の図形を半透明の単色にし、上の図形に背景なしの斜線を設定してグループ化することで、擬似的に「半透明の斜線図形」を作り出すことができるでしょう。少し手間はかかりますが、これらを活用することで表現の幅が広がるはずです。

エクセルの図形を透過するパターン

図形の塗りつぶしには、斜線以外にもドットや格子模様など、様々なパターンが用意されています。これらエクセルの図形を透過するパターンとして活用したい場合も、前述の斜線と同様の課題に直面することがあるかもしれません。標準機能のパターン塗りつぶしでは、透明度の設定が直接できないケースが多いためです。

ここで役立つのが、パワーポイントとの連携です。実はパワーポイントの図形書式設定の方が、透過処理に関しては柔軟な操作ができることがあります。一度パワーポイント上で図形を作成し、パターン塗りつぶしを設定した後、その図形をコピーしてエクセルに「図」として貼り付ける方法があります。このとき、貼り付けの形式を考慮することで、透過状態を維持できる可能性があります。

また、エクセルのバージョンが新しい場合、アイコンやSVG形式の素材を活用することも一つの手です。これらは色や透明度の変更が容易な場合が多く、既存のパターン塗りつぶしにこだわらずにデザインを構築できるかもしれません。パターンを用いる際は、背景のデータが見づらくならないよう、柄の細かさや色の濃淡に注意を払うことが大切です。あまり複雑なパターンを透過させると、下の文字と重なって可読性が落ちてしまうこともあるため、シンプルな柄を選ぶのが無難でしょう。

セルの塗りつぶしと透過率の関係

図形の透過を考える際、背景となる「セル」の塗りつぶしと透過率についても理解しておくと、よりデザインの調整がしやすくなります。基本的に、エクセルのセル自体には「透明度」という概念が存在しません。セルの塗りつぶしは「色なし」か「特定の色」のどちらかであり、セル色を半透明にしてシートの背景画像(透かしなど)を見せるという機能は、標準設定では備わっていないのです。

そのため、エクセルでセルの塗りつぶしの透過率を調整したいように見える表現をするには、発想の転換が必要です。セルに色を塗るのではなく、セルと同じ大きさの長方形の図形を作成し、その図形に色をつけて透明度を設定し、セルの上に重ねるという方法がよく使われます。これにより、あたかもセルの色が半透明になったかのような視覚効果を得ることができます。

この手法を使う際は、「Alt」キーを押しながら図形をドラッグすると、セルの枠線にぴったりと吸着させて配置することができます。このテクニックを使えば、表の一部だけを柔らかくハイライトしたり、条件付き書式では表現しきれない微妙なニュアンスの色分けを実現したりできるかもしれません。ただし、図形がセルの上にあるため、セルを選択しようとした時に図形を選んでしまう誤操作が起きやすくなる点には注意が必要です。

エクセルの図が透過できない場合

操作手順通りに行っているはずなのに、なぜかエクセルの図が透過できないというトラブルに遭遇することがあります。これにはいくつかの原因が考えられます。まず一つ目は、選択しているオブジェクトの種類です。単なる「図形(オートシェイプ)」ではなく、外部から挿入した「画像(写真など)」の場合、単色の塗りつぶしと同じ方法では透明度スライダーが出てこないことがあります。画像の場合は、別の手順が必要になります。

二つ目の原因として、グループ化された図形の仕様が挙げられます。複数の図形をグループ化している場合、グループ全体に対して透明度を設定しようとしても、個別の図形の設定が優先されてしまい、一括での変更が反映されないことがあるかもしれません。この場合は、グループ化を一時的に解除するか、グループ内の図形を個別に選択して設定を変更する必要があるでしょう。

また、ファイル形式の影響も考えられます。古いエクセル形式(.xls)で保存されたファイルや、互換モードで開いている場合、一部の新しいグラフィック機能が制限され、透過設定が利用できない可能性があります。もし機能が見当たらない場合は、ファイルを最新の形式(.xlsx)に変換して保存し直すことで、問題が解決するかもしれません。あきらめずに、オブジェクトの種類やファイルの状態を確認してみることをお勧めします。

グラデーションを活用した半透明表現

単色の半透明だけでなく、グラデーション機能を組み合わせることで、より高度で美しい透過表現が可能になります。エクセルの「図形の書式設定」にある「塗りつぶし(グラデーション)」では、グラデーションの分岐点ごとに色と透明度を設定することができます。これにより、図形の上部は不透明で、下に向かって徐々に透明になっていくような、自然なフェードアウト効果を作り出すことができます。

例えば、写真の上に説明文を載せる際、文字の背景としてグラデーション透過の図形を配置すると非常に効果的です。文字がある部分は不透明度を高くして読みやすくし、写真と重なる部分は透明度を上げて背景を馴染ませることで、洗練されたデザインに見せることができるでしょう。これはプロのデザイナーもよく使うテクニックの一つです。

設定方法は、グラデーションの分岐点を選択し、それぞれの色設定の下にある「透明度」スライダーを調整するだけです。分岐点は追加や削除も自由にできるため、複雑な色の変化も表現可能です。ただし、あまり多くの色や極端な透明度の変化をつけると、かえって見づらくなることもあります。基本は同系色の濃淡や、白から透明への変化など、シンプルな設定から試してみると良いかもしれません。この機能を使いこなせば、エクセルで作ったとは思えないような表現力豊かな資料作成につながるはずです。

エクセルで画像や図形を透過する応用技

基礎的な透過設定を理解したところで、次は画像そのものの透過や、バージョンによる違い、さらには保存時のテクニックなど、より実践的な応用技について解説していきます。特に写真は、図形とは異なり単純な塗りつぶし設定では対応できないことが多いため、知っておくと便利なテクニックがたくさんあります。ここでは、以下の6つの項目について順に見ていきましょう。

・ エクセルで画像を半透明にする2016

・ 画像の背景を透明にして保存する

・ エクセルの画像が半透明にできない時

・ パワポの透過設定と図形の違い

・ 図形の枠線を透過させて馴染ませる

・ エクセルの図形と透過のまとめ

エクセルで画像を半透明にする2016

エクセル2016やそれ以前のバージョンを使用している場合、画像の透明度を変更する機能が現在の最新版とは異なる場所にあったり、直接的な機能が見当たらなかったりすることがあります。特に「エクセルで画像を半透明にする2016」といった悩みを持つユーザーは少なくありません。古いバージョンでは、挿入した画像を選択しても、書式設定に「透明度」のスライダーが直接表示されないことが多いのです。

このような場合でも、画像を半透明にするための定番の裏技があります。それは、「図形の中に画像を塗りつぶしとして設定する」という方法です。まず、四角形などの図形をシートに挿入します。次に、その図形の書式設定を開き、「塗りつぶし(図またはテクスチャ)」を選択して、ファイルから目的の画像を指定します。こうすることで、画像は「図形の塗りつぶし」として扱われるため、図形の機能である「透明度」スライダーを使って、画像を半透明にすることが可能になります。

この方法は、エクセル2016に限らず、画像の透明度を直接変更できない多くのバージョンで有効な手段です。図形の枠線を「線なし」に設定すれば、見た目は完全に半透明の画像そのものになります。少し手数は増えますが、この手順を覚えておけば、バージョンの違いに惑わされずに画像の透過処理を行えるようになるでしょう。ぜひ試してみてください。

画像の背景を透明にして保存する

エクセル上で画像の背景を透明にした後、その状態を維持したまま画像ファイルとして保存したいと思うことがあるかもしれません。例えば、商品写真の背景を削除して、他の資料でも使えるようにしたい場合などです。エクセルには「背景の削除」という機能があり、これを使えば画像の特定の範囲を透明にすることができます。

「図の形式」タブにある「背景の削除」をクリックすると、エクセルが自動的に背景と思われる部分を紫色(削除領域)に変化させます。もし必要な部分まで消えてしまったり、消したい背景が残っていたりする場合は、「保持する領域としてマーク」や「削除する領域としてマーク」を使って手動で調整が可能です。納得のいく状態になったら「変更を保持」をクリックすれば、背景が透明になった画像が出来上がります。

このエクセルで画像の背景を透明にして保存するには、処理後の画像を右クリックし、「図として保存」を選択します。この時、ファイルの種類を必ず「PNG(ポータブルネットワークグラフィックス)」に指定してください。JPGなどの形式では透明情報が保持されず、背景が白くなってしまうからです。PNG形式であれば、背景が透明なまま保存され、他のソフトでも素材として活用できるでしょう。

エクセルの画像が半透明にできない時

前述の方法を試しても、なおエクセルの画像が半透明にできない時には、別の要因が絡んでいる可能性があります。よくあるのが、画像が「リンク貼り付け」されているケースや、OLEオブジェクトとして挿入されているケースです。これらは標準的な図形や画像の編集機能が完全には適用されないことがあります。一度画像を切り取り、「形式を選択して貼り付け」から通常の「図(PNGなど)」として貼り付け直すことで、編集可能になるかもしれません。

また、「図形のオプション」と「文字のオプション」を混同している場合もあります。書式設定の作業ウィンドウには、図形そのものの設定と、中のテキストの設定がタブで分かれています。画像を図形の塗りつぶしとして設定している場合、「図形のオプション」側の塗りつぶし設定を触る必要がありますが、誤って別の項目を探していることも考えられます。

さらに、画像自体に何らかの保護がかかっている場合や、シートの保護機能によってオブジェクトの編集が制限されている場合も、透過設定が変更できません。「校閲」タブからシート保護の状態を確認してみるのも一つの手です。どうしても解決しない場合は、画像編集ソフトであらかじめ半透明にした画像を作成し、それをエクセルに挿入するという外部アプローチも検討すると良いでしょう。時間はかかるかもしれませんが、確実な方法と言えます。

パワポの透過設定と図形の違い

エクセルとパワーポイントは同じマイクロソフトの製品であり、操作感も似ていますが、図形や画像の扱いに関してはパワーポイントの方が高機能である場合があります。パワポの透過設定と図形の違いを理解しておくと、エクセルでの作業に行き詰まった時の助けになるかもしれません。例えば、パワーポイントの最新版では、図形に入れ込んでいない「生の画像」に対しても、直接透明度を設定できる機能がいち早く実装されました。

もしエクセルだけで理想的な透過表現が難しいと感じたら、パワーポイントを併用するのも賢い方法です。パワーポイント上で画像や図形を作成し、透過処理や複雑な合成を行った後、それをコピーしてエクセルに貼り付けるのです。この際、貼り付けの形式を「図」にすることで、パワーポイントで作った通りの見た目をエクセル上で再現できる可能性が高まります。

また、図形の結合や型抜きといった高度な編集機能も、パワーポイントの方が直感的に操作しやすい場所に配置されています。エクセルはあくまで表計算ソフトであり、グラフィックデザインに関してはパワーポイントに分があると言わざるを得ません。それぞれのソフトの得意分野を活かし、連携させることで、より効率的にクオリティの高い資料を作成することができるでしょう。

図形の枠線を透過させて馴染ませる

透過させるのは「塗りつぶし」だけではありません。図形の「枠線」も透過させることで、デザインの質を一段階上げることができます。通常、枠線はくっきりとした色で表示され、図形の存在感を強調しますが、場合によってはその強さがデザインの邪魔になることもあります。枠線にも透明度を設定することで、背景に溶け込むような柔らかい印象を与えることが可能です。

設定方法は塗りつぶしと同様です。「図形の書式設定」の「線」の項目を開くと、そこにも「透明度」のスライダーが存在します。例えば、塗りつぶしを半透明にし、枠線も同じ色の半透明に設定すると、ガラスのような質感や、水彩画のような滲んだエッジを表現できるかもしれません。また、太めの枠線にグラデーションと透過を同時に設定することで、光彩のような効果を作ることもできます。

このように枠線を工夫することで、図形が浮いて見えたり、逆に背景に埋没しすぎたりするのを防ぐことができます。特に、複数の図形を重ねて相関図やフローチャートを作る際には、線の透過をうまく使うことで、重なり合う部分の視認性を保ちつつ、つながりを美しく見せることができるでしょう。細部へのこだわりが、全体の完成度を大きく左右します。

エクセルの図形と透過のまとめ

今回はエクセルの図形や画像の透過設定についてお伝えしました。以下に、本記事の内容を要約します。

・ 透過は図形の書式設定にある塗りつぶし項目から行う

・ スライダー操作で透明度を0から100パーセントまで調整できる

・ 透過によって下のセルや文字を見せることが可能になる

・ 斜線の透過は塗りつぶしパターンでは難しい場合がある

・ 画像を塗りつぶしとして設定すれば斜線も透過できる

・ セル自体には透明度の設定が存在しない

・ セルを透過させたい場合は半透明の図形を上に重ねる

・ 図形に画像を挿入することで古いエクセルでも半透明にできる

・ 背景の削除機能を使えば画像の不要な部分を透明化できる

・ 保存時は背景透過を維持するためにPNG形式を選ぶ

・ 画像が透過できない時はオブジェクトの種類を確認する

・ パワーポイントで作成してエクセルに貼り付ける方法も有効

・ 枠線にも透明度を設定することでデザインが馴染む

・ グラデーション透過を使えばプロのような表現ができる

・ シートの保護状態によっては透過設定ができないこともある

エクセルでの透過テクニックは、少しの設定を知っているだけで資料の見栄えを劇的に変えることができます。ぜひ、日々の業務や資料作成に取り入れてみてください。

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