エクセルを使って名簿や顧客リストを作成していると、苗字と名前が別々のセルに入力されているデータに出会うことがよくあります。苗字と名前を結合して一つのセルにまとめたい、その際に苗字と名前の間に自然な空白、つまりスペースを入れたいと考える場面は多いのではないでしょうか。手作業で一つひとつ入力し直すのは非常に手間がかかりますが、エクセルの機能を使えば一瞬で完了させることが可能です。
この記事では、エクセルで苗字と名前を結合するときにスペースを入れる具体的な方法や、逆に結合したデータを分ける方法について、初心者の方にも分かりやすく解説していきます。簡単な数式や関数を使うだけで、作業効率が劇的に向上するかもしれません。ぜひ日々の業務に取り入れてみてください。
この記事を読むことで、以下のメリットが得られるでしょう。
・簡単な記号を使って苗字と名前を結合する方法が分かります
・関数を活用して複数のセルを効率よくまとめる手順を理解できます
・結合したデータからスペースを削除したり再度分けたりする応用スキルが身につきます
・エクセルでのデータ整理作業がスムーズになり時短につながります
エクセルで苗字と名前を結合してスペースを入れる方法とは
ここではエクセルで苗字と名前を結合してスペースを入れる方法について説明していきます。エクセルにはデータを操作するための様々な手段が用意されていますが、その中でも特に利用頻度の高い方法を厳選しました。記号を使うシンプルな方法から、関数を使った応用的な方法まで、状況に合わせて使い分けることができるようになるでしょう。順に見ていきましょう。
・エクセルで苗字と名前をくっつける記号
・2つのセルを1つにしてスペースを挿入
・複数のセルのデータを1つのセルにまとめる
・セル結合で文字をそのままつなぐ関数
・エクセルで姓名が結合できない時の確認点
・結合に使うスペースの種類と使い分け
エクセルで苗字と名前をくっつける記号
エクセルで苗字と名前をくっつける際に、最も直感的で覚えやすいのが「＆（アンパサンド）」という記号を使う方法です。この記号は「アンド」とも呼ばれ、文字通りセルとセルをつなぐ接着剤のような役割を果たします。例えば、Ａ１セルに苗字、Ｂ１セルに名前が入っている場合、Ｃ１セルに「＝Ａ１＆Ｂ１」と入力するだけで、二つの文字がつながって表示されます。
この方法の最大のメリットは、数式が短くシンプルであることでしょう。複雑な関数の名前を覚える必要がないため、エクセルに不慣れな方でもすぐに実践できるかもしれません。ただし、単に「＆」でつなぐだけでは、苗字と名前が密着した状態になり、少し読みにくいと感じることもあるでしょう。
そこで重要になるのが、間にスペースを挟む工夫です。詳しくは次の項目で解説しますが、この「＆」という記号は、セル同士だけでなく、任意の文字や記号を挟み込むことも可能です。まずは基本として、セル同士を結合するには「＆」を使うということを覚えておくと、様々な場面で応用が効くはずです。
2つのセルを1つにしてスペースを挿入
前述の方法を発展させて、エクセルで2つのセルを1つにする際にスペースを入れてみましょう。苗字と名前の間に空白があるほうが、名簿としての視認性が高まると感じる方は多いはずです。この場合も「＆」記号を使いますが、少しだけ数式に書き加える必要があります。
具体的には「＝Ａ１＆” ”＆Ｂ１」のように入力します。ここでポイントとなるのが、ダブルクォーテーション（”）で囲まれた空白部分です。エクセルの数式の中で文字や記号を扱う場合、それをダブルクォーテーションで囲むというルールがあります。ここでは全角のスペースを挟みたいので、ダブルクォーテーションの間に全角スペースを入力しています。
この数式を入力することで、Ａ１セルの内容の後に全角スペースが入り、その後にＢ１セルの内容が続く形になります。もし半角スペースを入れたい場合は、ダブルクォーテーションの中を半角スペースにすれば良いだけです。このように、間に挟む文字を自由に変えられるのもこの方法の魅力と言えるでしょう。慣れてくれば、スペースだけでなく「様」などの敬称を同時につけることも可能です。
複数のセルのデータを1つのセルにまとめる
苗字と名前だけでなく、ミドルネームや肩書きなど、3つ以上のセルに情報が分かれていることもあるかもしれません。エクセルで複数のセルのデータを1つのセルにまとめる場合も、基本的には「＆」記号でつないでいくことが可能です。しかし、結合するセルが多くなればなるほど、数式が長くなり入力ミスが起きやすくなる可能性も否定できません。
そこで役立つのが「ＣＯＮＣＡＴ（コンキャット）関数」や「ＣＯＮＣＡＴＥＮＡＴＥ（コンカテネート）関数」です。特に新しいバージョンのエクセルで使用できるＣＯＮＣＡＴ関数は、範囲を指定して一気に結合できるため非常に便利です。例えば「＝ＣＯＮＣＡＴ（Ａ１：Ｃ１）」とすれば、Ａ１からＣ１までのセルを全てつなげることができます。
ただし、この関数を使って範囲指定で結合する場合、間にスペースを自動的に入れることはできません。スペースを入れたい場合は、やはり個別に指定するか、後述する別の関数を使うほうが適しているかもしれません。大量のデータを扱う際には、どの方法が最も手数を減らせるかを考えることが、業務効率化の鍵となるでしょう。
セル結合で文字をそのままつなぐ関数
結合するセルが多い場合や、間に特定の区切り文字（スペースなど）を一括で入れたい場合には、「ＴＥＸＴＪＯＩＮ（テキストジョイン）関数」が非常に強力な味方になります。これは、エクセルでセル結合を行い文字をそのままつなぐだけでなく、指定した区切り文字をすべてのセルの間に自動で挿入してくれる関数です。
使い方は「＝ＴＥＸＴＪＯＩＮ（” ”，ＴＲＵＥ，Ａ１：Ｃ１）」のように記述します。最初の引数で区切り文字（ここでは全角スペース）を指定し、次の引数で空のセルを無視するかどうかを決め、最後に結合したいセルの範囲を指定します。これだけで、苗字、ミドルネーム、名前のそれぞれの間に均等にスペースが入った状態で結合されます。
この関数の素晴らしい点は、一つひとつのセルの間に「＆” ”＆」と入力する手間が省けることです。特に連結する項目が多い名簿データなどでは、数式の記述ミスを大幅に減らすことができるでしょう。新しいバージョンのエクセルを使っている方であれば、積極的に使ってみる価値がある機能だと言えます。
エクセルで姓名が結合できない時の確認点
ここまで紹介した方法を試しても、エクセルで姓名が結合できない、あるいは期待通りの結果にならないことがあるかもしれません。そのような場合にまず確認していただきたいのが、データの表示形式です。結合元のセルが「日付」や「数値」として認識されている場合、結合した際に意図しない数字の羅列になってしまうことがあります。
また、数式を正しく入力しているつもりでも、ダブルクォーテーションが全角になっていないか、あるいはカンマが抜けていないかなど、細かい入力ミスが原因でエラーになることも考えられます。数式バーをよく確認し、記号が半角で入力されているかを見直してみると良いでしょう。
さらに、結合したいセルの中に余分なスペースが含まれているケースもあります。データの末尾に見えないスペースが入っていると、結合した際に妙に隙間が空いてしまうことがあります。このような「見えない文字」が原因でトラブルが起きている可能性も疑ってみてください。データのクリーニングを行うことで、スムーズに結合できるようになるはずです。
結合に使うスペースの種類と使い分け
苗字と名前の間に挿入するスペースには、主に「全角スペース」と「半角スペース」の2種類があります。どちらを使うべきか迷うこともあるかもしれませんが、作成する資料の用途によって使い分けるのが良いでしょう。一般的に、日本語の文書や宛名ラベルなどでは、全角スペースを使ったほうが文字のバランスが良く見えることが多いようです。
一方で、システムに取り込むためのデータや、英字が含まれる名簿などの場合は、半角スペースのほうが適していることもあります。また、セルの幅が狭い場合などは、半角スペースのほうが収まりが良いかもしれません。数式の中で指定するスペースを変えるだけで簡単に切り替えられるので、プレビューを見ながら調整することをお勧めします。
また、見た目の調整という意味では、スペースを入れずに結合し、セルの書式設定で「均等割り付け」などを行う方法もありますが、データとしてスペースが入っているわけではない点に注意が必要です。データそのものを加工したいのか、見た目だけを整えたいのか、目的に応じて最適な手段を選ぶことが大切です。
エクセルで苗字と名前のスペースを調整するテクニック
ここまでは結合する方法を中心に見てきましたが、実務ではその逆、つまり結合されたデータを分けたり、不要なスペースを削除したりする作業も発生します。ここではエクセルで苗字と名前のスペースを調整するテクニックについて、詳しく説明していきます。データを整えるための便利な機能や関数を知っておくことで、イレギュラーなデータにも柔軟に対応できるようになるでしょう。順に見ていきましょう。
・エクセルで苗字と名前を分ける関数
・区切り位置機能で苗字と名前を分ける
・エクセルで苗字と名前のスペースを消す
・文字の配置機能で見た目を整える方法
・フラッシュフィルで素早くデータを加工
・エクセルで苗字と名前を結合するまとめ
エクセルで苗字と名前を分ける関数
すでに苗字と名前がひとつのセルに入力されており、それを別々のセルに分けたいという場合もあるでしょう。エクセルで苗字と名前を分ける関数としては、「ＬＥＦＴ関数」や「ＭＩＤ関数」、「ＦＩＮＤ関数」などを組み合わせる方法が知られています。これらは文字の位置を特定して切り出すための関数です。
例えば、苗字と名前の間に必ず全角スペースが入っている場合、ＦＩＮＤ関数を使ってそのスペースが何文字目にあるかを探し出します。その位置情報を元に、ＬＥＦＴ関数で左側の文字（苗字）を取り出し、ＭＩＤ関数やＲＩＧＨＴ関数で右側の文字（名前）を取り出すという流れです。少し複雑に感じるかもしれませんが、一度数式を組んでしまえば、大量のデータも一括で処理できるメリットがあります。
ただし、この方法はスペースという明確な区切り文字がある場合に有効です。区切り文字がない場合や、スペースの位置が不規則な場合は、手作業での修正が必要になるかもしれません。それでも、関数を使いこなすことで作業の大半を自動化できる可能性は高いでしょう。
区切り位置機能で苗字と名前を分ける
関数を使うのが難しそうだと感じる方には、「区切り位置」という機能がお勧めです。これは数式を使わずに、エクセルで苗字と名前を分けることができる標準機能です。データタブにある「区切り位置」ボタンをクリックし、ウィザードに従って操作するだけで完了します。
この機能では「カンマやタブなどの区切り文字によってフィールドごとに区切られたデータ」を選択し、区切り文字として「スペース」にチェックを入れるだけで、スペースの位置でセルを分割してくれます。関数を組む手間がなく、直感的に操作できるため、初心者の方にも非常に扱いやすい機能だと言えるでしょう。
注意点としては、元のデータが上書きされて分割されるため、元のデータを残しておきたい場合は事前に列をコピーしておく必要があります。また、苗字と名前の間にスペースがないデータには対応できないため、あくまでスペースなどの区切りがあるデータに対して有効な手段であることを理解しておくと良いでしょう。
エクセルで苗字と名前のスペースを消す
逆に、苗字と名前の間にあるスペースが不要で、詰めてしまいたい場合もあるかもしれません。エクセルで苗字と名前のスペースを消すには、「ＳＵＢＳＴＩＴＵＴＥ（サブスティテュート）関数」が便利です。この関数は、指定した文字を別の文字に置き換えることができます。
使い方は「＝ＳＵＢＳＴＩＴＵＴＥ（Ａ１，” ”，””）」のように記述します。これは、Ａ１セルの中にある「全角スペース」を「空文字（何もなし）」に置き換えるという意味になります。これにより、苗字と名前がぴったりとくっついた状態になります。全角スペースと半角スペースが混在している場合は、この関数を入れ子にするか、後述するＴＲＩＭ関数などと併用すると良いでしょう。
スペースを削除することで、システムへのインポート時のエラーを防いだり、検索性を高めたりすることができるかもしれません。データの用途に合わせて、スペースの有無を自在にコントロールできるようになると、データ管理の質が一段と向上するはずです。
文字の配置機能で見た目を整える方法
データそのものを加工するのではなく、見た目だけを整えたいというケースもあるでしょう。例えば、苗字と名前の文字数が人によって異なるため、リストにしたときにガタガタして見にくいといった場合です。このようなときは、セルの書式設定にある配置機能を活用すると解決するかもしれません。
「均等割り付け」という機能を使うと、セルの幅に合わせて文字を均等に配置してくれます。これを使うと、２文字の苗字も３文字の苗字も、同じ幅で表示されるため、見た目が非常にスッキリします。この際、インデント設定で前後に少し隙間を空けると、より読みやすくなるでしょう。
この方法は、元のデータにはスペースなどが追加されないため、後でデータを集計したり検索したりする際に影響を与えないというメリットがあります。印刷用や閲覧用の資料を作成する際には、数式でデータをいじる前に、まずは配置設定で解決できないか試してみるのも一つの手です。
フラッシュフィルで素早くデータを加工
最近のエクセルには「フラッシュフィル」という非常に賢い機能が搭載されています。これは、ユーザーが入力したパターンの法則性をエクセルが自動的に検知し、残りのデータも同じように埋めてくれる機能です。関数や複雑な操作を覚えなくても、直感的にデータを加工できるため、ぜひ知っておいていただきたい機能です。
例えば、Ａ列に「山田太郎」、Ｂ列に「山田 太郎」と入力したとします。次の行のＢ列を選択して「Ｃｔｒｌ＋Ｅ」を押す（またはデータタブのフラッシュフィルボタンを押す）と、エクセルが「苗字と名前の間にスペースを入れるんだな」と判断し、残りの行もすべてスペース入りの名前に変換してくれます。結合だけでなく、分割する場合にも使えます。
数式を入力する必要がないため、一時的な作業や、数式を残したくない場合に最適です。ただし、データの法則が複雑すぎる場合や、例外的なデータが多い場合には、正しく認識されないこともあります。処理結果を目視で確認する必要はありますが、手軽さにおいては最強のツールと言えるかもしれません。
エクセルで苗字と名前を結合するまとめ
今回はエクセルで苗字と名前を結合してスペースを入れる方法についてお伝えしました。以下に、本記事の内容を要約します。
・苗字と名前の結合にはアンド記号が最も手軽である
・アンド記号を使うと間に任意の文字を挟むことができる
・ダブルクォーテーションで囲むことでスペースを挿入できる
・全角スペースと半角スペースは用途に応じて使い分ける
・数式内の記号は半角で入力しないとエラーになる
・結合するセルが多い場合はＴＥＸＴＪＯＩＮ関数が便利である
・ＴＥＸＴＪＯＩＮ関数は区切り文字を一括指定できる
・ＣＯＮＣＡＴ関数は範囲指定での結合に適している
・結合がうまくいかない時はデータの表示形式を確認する
・苗字と名前を分けるには区切り位置機能が直感的である
・関数を使って位置を指定し文字を切り出す方法もある
・ＳＵＢＳＴＩＴＵＴＥ関数で不要なスペースを削除できる
・見た目を整えるだけなら書式設定の均等割り付けを使う
・フラッシュフィル機能を使えば数式なしで加工が可能である
・データの用途に合わせて最適な結合や分割方法を選ぶべきである
エクセルでのデータ編集作業は、知っている機能の数だけ効率が変わると言っても過言ではありません。今回ご紹介した方法は、どれも日々の業務ですぐに使えるものばかりです。ぜひ実際に手を動かして試し、ご自身のスキルとして定着させてください。
これはCTAサンプルです。
内容を編集するか削除してください。
