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パワポでのルビの振り方ってどうやるの?分かりやすく解説!

プレゼンテーション資料を作成する際、人名や地名、専門用語など、読み方が難しい漢字にふりがな(ルビ)を付けたい場面が出てくるかもしれません。WordやExcelでは簡単に見かけるルビ機能ですが、いざパワーポイントで使おうとすると「どこに機能があるのか分からない」と戸惑うこともあるのではないでしょうか。もしかすると、パワーポイントでルビが表示されない問題に直面したり、Mac版のパワーポイントでのルビの扱いに悩んだりしているかもしれません。パワーポイントでルビを簡単に追加する方法や、ふりがなを自動で設定するテクニック、あるいはパワポでルビのショートカットを探している方もいらっしゃるでしょう。

この記事では、パワポでのルビの振り方について、さまざまな角度から分かりやすく解説していきます。パワーポイントの標準機能の有無から、代替となる具体的な設定方法、さらにはパワーポイントでルビが表示されないといったトラブルの対処法まで、幅広く情報を提供します。

この記事を読むことで、以下の点が明確になるでしょう。

・パワーポイントにおけるルビ機能の基本的な仕様

・パワーポイントでルビを追加するための具体的な代替方法

・Mac版や古いバージョン(2016など)でのルビの扱い

・ルビが表示されない場合の対処法や自動化の可能性

パワポでルビの振り方を探る基本アプローチ

ここでは、パワーポイント(パワポ)でルビの振り方に関連する基本的な知識と、主なアプローチについて説明していきます。多くの方が疑問に思う標準機能の有無から、具体的な代替策まで、順に見ていきましょう。

パワポに標準ルビ機能はある?

テキストボックスでルビを簡単に追加

Wordオブジェクト挿入によるルビ設定

Excelからルビ付きテキストをコピーする方法

Mac版パワーポイントでのルビ対応

パワーポイント2016でのルビ事情

パワポに標準ルビ機能はある?

パワーポイント(パワポ)で資料を作成していると、どうしても読み方が難しい漢字にルビ(ふりがな)を振りたくなることがあります。しかし、結論から申し上げますと、現在のパワーポイントには、WordやExcelに搭載されているような標準の「ルビ機能」は残念ながら搭載されていないようです。リボンやメニューを探しても、Wordのような「ルビ」ボタンは見つからないでしょう。

この仕様は、多くのユーザーにとって意外な点かもしれません。同じMicrosoftOfficeスイートのアプリケーションでありながら、なぜパワーポイントにだけ標準のルビ機能がないのか、その明確な理由は公式には語られていないようですが、アプリケーションの設計思想の違いが背景にある可能性が考えられます。パワーポイントは元来、長文のドキュメント作成よりも、視覚的なプレゼンテーション(スライドショー)に最適化されています。スライド一枚あたりのテキスト量は少なく保ち、視認性を高めることが推奨されるため、複雑なテキスト装飾機能であるルビの優先度が低く設定されているのかもしれません。

したがって、パワーポイントでルビを振りたい場合は、標準機能に頼るのではなく、何らかの「代替方法」を講じる必要があります。機能がないからといって諦める必要はなく、いくつかのテクニックを用いることで、ルビが振られた状態を表現することは可能です。次の見出し以降で、その具体的な方法を詳しく見ていきます。

テキストボックスでルビを簡単に追加

パワーポイントでルビを簡単に追加する方法として、最も直感的で手軽なのが「テキストボックス」を別途使用するアプローチです。これは、ルビを振りたい親文字とは別に、ふりがなを入力するための小さなテキストボックスを作成し、親文字の上に手動で配置する方法を指します。

具体的な手順としては、まず「挿入」タブから「テキストボックス」を選択し、親文字(例えば「難読」)を入力します。次に、もう一度「テキストボックス」を選択し、ふりがな(例えば「なんどく」)を入力します。このふりがな用のテキストボックスのフォントサイズを、親文字よりも小さく設定します(例:親文字が24ptなら、ルビは10ptなど)。そして、ふりがなのテキストボックスをドラッグして、親文字の真上にくるように位置を調整します。

この方法のメリットは、特別な機能や他のソフトを必要とせず、パワーポイントの基本操作だけで完結することです。「パワーポイントでルビを簡単に追加したい」というニーズには最も素早く応えられるかもしれません。

一方で、デメリットも存在します。最大の注意点は、親文字とルビが別々のオブジェクトであるため、位置がずれやすいことです。例えば、親文字のテキストボックスを移動させたり、スライドのレイアウトを変更したりすると、ルビのテキストボックスだけが取り残されてしまう可能性があります。これを防ぐためには、親文字のテキストボックスとルビのテキストボックスを選択し、「図形の書式設定」タブ(または右クリックメニュー)から「グループ化」を選び、一つのオブジェクトとしてまとめておくと良いでしょう。ただし、グループ化しても、後からテキストを編集すると、再度位置調整が必要になる場合があるため、注意が求められます。

Wordオブジェクト挿入によるルビ設定

パワーポイントに標準のルビ機能がないという問題を解決する、最も確実かつ高機能な方法の一つが、「Wordオブジェクト」を挿入するアプローチです。これは、パワーポイントのスライド内に、Wordの文書編集機能を埋め込み、Wordが持つ強力なルビ機能を間接的に利用する方法と言えます。

手順は以下のようになります。まず、パワーポイントの「挿入」タブを開き、「テキスト」グループの中にある「オブジェクト」を選択します。ダイアログボックスが表示されたら、「オブジェクトの種類」一覧から「MicrosoftWordDocument」(または「MicrosoftWord文書」)を選び、「OK」をクリックします。すると、スライド上にWord文書の編集領域(枠線で囲まれたエリア)が表示され、リボンもWordのものに切り替わります。

このWord編集領域内に、ルビを振りたい文字列(例:「魑魅魍魎」)を入力します。入力した文字列を選択した状態で、Wordの「ホーム」タブにある「フォント」グループの「ルビ」ボタン(「A」の上に「あ」が乗っているアイコン)をクリックします。Wordのルビ設定ダイアログが表示されるので、自動で入力されたルビを確認・修正し、フォントサイズや配置(中央揃え、均等割り付けなど)を調整して「OK」を押します。

ルビが正しく振られたことを確認したら、スライドのWord編集領域外の適当な場所をクリックします。すると、編集モードが終了し、ルビ付きのテキストが画像やオブジェクトのようにパワーポイントのスライドに貼り付けられます。

この方法の最大のメリットは、Wordの正規のルビ機能を使えるため、文字とルビの位置関係が崩れず、細かな配置調整も可能である点です。ただし、テキストボックス方式に比べると手順が多く、挿入されたオブジェクトは後から編集する際にダブルクリックして再度Word編集モードに入る必要があるため、若干の手間がかかると感じるかもしれません。

Excelからルビ付きテキストをコピーする方法

パワーポイントでルビを実現するもう一つのアプローチとして、Excelのふりがな機能を利用する方法が考えられます。Excelには、入力された漢字のふりがなをセルに表示する機能(Phonetic関数や、「ホーム」タブの「ふりがなの表示/非表示」ボタン)が備わっています。

この方法では、まずExcelワークシートを開き、ルビを振りたい文字列をセルに入力します。例えば、A1セルに「御御御付」と入力します。次に、そのセルを選択し、「ホーム」タブの「ふりがなの表示/非表示」ボタン(「A」の上に「あ」が乗っているアイコン)をクリックします。すると、セルの上部にふりがな(例:「オミオツケ」)が表示されます。必要であれば、ふりがなの編集機能を使って、ひらがな(「おみおつけ」)に修正することも可能です。

このルビが表示された状態のセルをコピー(Ctrl+C)し、パワーポイントのスライド上で貼り付け(Ctrl+V)ます。貼り付けの際、「貼り付けのオプション」が表示されることがあります。ここで「元の書式を保持」や「図として貼り付け」などを選択すると、ルビ(ふりがな)が付いた状態でテキストがスライドに挿入される場合があります。

ただし、この方法は常に期待通りに機能するとは限らない点に注意が必要です。パワーポイントやExcelのバージョン、または貼り付けオプションの選択によっては、ルビが失われて親文字だけがテキストボックスとして貼り付けられたり、単なる画像として貼り付けられて後からのテキスト編集が困難になったりする可能性があります。

最も確実にルビ情報を保持して貼り付ける方法としては、Excelのセルをコピーした後、パワーポイントの「ホーム」タブにある「貼り付け」ボタンの矢印をクリックし、「形式を選択して貼り付け」を選び、「MicrosoftExcelワークシートオブジェクト」として貼り付ける方法が考えられます。これは前述のWordオブジェクト挿入と似た考え方で、Excelの機能をスライドに埋め込む形になります。

Mac版パワーポイントでのルビ対応

Mac版のパワーポイント(パワーポイントルビMac)を利用している方も、Windows版と同様の課題に直面する可能性があります。つまり、Mac版のパワーポイントにも、標準でテキストに直接ルビを振る専用機能は搭載されていないようです。そのため、Windows版と同様に、代替策を講じる必要があります。

主な代替策は、これまで紹介してきた方法と共通しています。

一つ目は「テキストボックスの手動配置」です。親文字用のテキストボックスと、ふりがな用の小さなテキストボックスを個別に作成し、手動で位置を合わせて配置する方法です。位置がずれないように、両方のテキストボックスを選択して「グループ化」する手法も同様に有効と考えられます。

二つ目は「Wordオブジェクトの挿入」です。Mac版のOfficeスイートにもWordは含まれていますので、パワーポイントの「挿入」メニューから「オブジェクト」を選択し、「MicrosoftWord文書」を挿入することで、Wordのルビ機能を利用できる可能性があります。ただし、Windows版とMac版では、OSの違いからオブジェクトの挿入や連携(OLE)の挙動が若干異なる場合があるため、操作感や安定性を確認する必要があるかもしれません。

三つ目は「Excelオブジェクトの挿入」またはコピー&ペーストです。Mac版Excelでふりがなを表示させたセルをコピーし、パワーポイントに貼り付ける方法も試す価値があります。

いずれにしても、Mac版パワーポイントでルビを実現するには、一手間加える必要があると認識しておくのが良いでしょう。もし頻繁にルビを使用する必要がある場合は、どの代替方法がご自身の作業環境で最もスムーズに機能するか、事前に試してみることをお勧めします。

パワーポイント2016でのルビ事情

パワーポイント2016(パワーポイントルビ2016)をお使いの場合でも、ルビ機能に関する状況は基本的に最新版と変わらないと考えられます。PowerPoint2016のバージョンにおいても、WordやExcelとは異なり、テキストに直接ルビ(ふりがな)を振るための標準機能は搭載されていませんでした。

この問題を回避するためのアプローチは、最新版で用いられる手法と同様です。

最も一般的なのは、やはり「テキストボックスを2つ使う方法」です。親文字を入力したテキストボックスとは別に、ふりがな用の小さなテキストボックスを作成し、親文字の上に手動で配置し、必要に応じて「グループ化」する手法です。これはPowerPoint2016の基本的な機能のみで完結するため、環境を選ばずに実行できる可能性が高いです。

もう一つの有力な方法は、「Wordオブジェクトの挿入」です。PowerPoint2016にも「挿入」タブから「オブジェクト」を選び、「MicrosoftWord文書」をスライドに埋め込む機能が備わっています。この機能を利用すれば、PowerPoint2016のインターフェース内でWord2016を起動し、Wordのルビ機能を使ってふりがなを設定した後、スライドに戻ることでルビ付きテキストを表示させることが可能です。

Excel2016でふりがなを設定したセルをコピーし、PowerPoint2016に貼り付ける方法も試みる価値はありますが、前述の通り、書式が失われたり画像になったりする可能性も考慮に入れる必要があります。

結論として、PowerPoint2016でルビを振りたい場合も、標準機能に頼るのではなく、テキストボックスの手動配置や、Wordオブジェクトの挿入といった代替策を用いることが現実的な解決策となるでしょう。

パワポでルビの振り方がうまくいかない時の対処法

ここでは、パワポでルビの振り方を試みた際に遭遇する可能性のある問題や、より高度な要求に対する対処法について説明していきます。ルビが表示されないといったトラブルから、自動化の可能性まで、順に見ていきましょう。

パワーポイントでルビが表示されない理由

ルビが表示されない時の知恵袋的解決策

パワーポイントでふりがなを自動で振るには?

パワポにルビのショートカットは存在?

パワーポイントでルビにマクロは使える?

パワポでのルビの振り方に関する総まとめ

パワーポイントでルビが表示されない理由

パワーポイントでルビを設定しようとしたにもかかわらず、期待通りに表示されないという問題に直面することがあります。「パワーポイントでルビが表示されない」という状況には、いくつかの原因が考えられます。

まず最も根本的な理由として、前述の通り、パワーポイント自体に標準のルビ機能が存在しないため、「Wordと同じように設定しようとしても機能自体がない」というケースが挙げられます。Wordの感覚でルビボタンを探しても見つからず、「設定できない=表示されない」と捉えられている可能性があります。

次に、代替策である「テキストボックスの手動配置」を試みている場合、いくつかの要因で「表示されない」ように見えることがあります。例えば、ルビ用テキストボックスのフォントサイズが極端に小さい、あるいはフォントの色が背景色と同じになっていて見えない、という単純な設定ミスが考えられます。また、ルビ用テキストボックスが、親文字のテキストボックスや他のオブジェクトの背面に隠れてしまっている(重なり順が適切でない)可能性もあります。

さらに、「Wordオブジェクトの挿入」を試みた場合、オブジェクトのサイズが小さすぎると、中のWord文書が正しくレンダリング(描画)されず、ルビが潰れて見えたり、テキスト全体が読めなくなったりすることがあります。この場合、オブジェクトの枠をドラッグして十分に拡大すると、ルビが表示されるようになるかもしれません。また、挿入したWordオブジェクトが、何らかの原因で正しく更新されず、古い内容(ルビを設定する前の状態)が表示され続けている可能性もゼロではありません。その場合は、オブジェクトをダブルクリックして再編集モードに入り、内容を確認する必要があるでしょう。

ルビが表示されない時の知恵袋的解決策

「パワーポイントでルビが表示されない」という問題に直面した際、インターネット上のQ&Aサイト(例えば「パワーポイントルビ表示されない知恵袋」などで検索されるような情報)で求められる解決策は、多くの場合、前述した「表示されない理由」を一つずつ潰していくアプローチになります。

もし「テキストボックスの手動配置」でルビ(ふりがな)が見えない場合、以下の点を確認してみる価値があります。

第一に、ルビ用テキストボックスが選択できるか確認します。選択できる場合、フォントサイズが適切か(小さすぎないか)、フォントの色が背景と区別できる色になっているかを確認します。

第二に、オブジェクトの重なり順です。ルビ用テキストボックスを選択した状態で、「図形の書式設定」タブ(または右クリックメニュー)から「最前面へ移動」を実行し、他のオブジェクトに隠れていないか確認します。

第三に、テキストボックスの位置調整です。特に親文字とルビを別々のテキストボックスで作成している場合、位置調整がうまくいっていない可能性があります。パワーポイントの「表示」タブで「ルーラー」や「ガイド」、「グリッド線」を表示させると、位置合わせがしやすくなるかもしれません。特にルーラーは、テキストボックス内のインデント調整にも使えるため、細かい位置合わせに役立つ場合があります。

もし「Wordオブジェクトの挿入」でルビが表示されない場合は、挿入されたオブジェクトの枠(ハンドル)をドラッグして、オブジェクト自体の表示サイズを大きくしてみてください。オブジェクトが小さいと、中の文字やルビが省略されたり、正しく表示されなかったりすることがあります。それでも表示されない場合は、オブジェクトをダブルクリックしてWordの編集モードに戻り、Word内でルビが正しく設定されているか、フォントサイズが適切か(例えば、Word文書内でルビのサイズが極端に小さくなっていないか)を再確認する必要があるでしょう。

パワーポイントでふりがなを自動で振るには?

パワーポイントでふりがなを自動で設定したい(パワーポイントふりがな自動)というニーズは多いかもしれませんが、残念ながらパワーポイントの標準機能だけでは、テキストを入力したら自動でふりがなが付与される、といった機能は実現困難です。

この「自動化」に最も近いアプローチは、やはり「Wordオブジェクトの挿入」機能を活用することです。Wordには、漢字かな混じり文を選択してルビボタンを押すと、Wordが自動的に形態素解析を行い、適切なふりがな(ルビ)の候補を提示する機能が備わっています。

具体的な手順としては、パワーポイントの「挿入」タブから「オブジェクト」を選び、「MicrosoftWordDocument」を挿入します。表示されたWord編集領域に、ふりがなを振りたい文章を(例えばコピー&ペーストなどで)入力します。その文章全体または一部を選択し、Wordの「ホーム」タブにある「ルビ」ボタンをクリックします。すると、Wordが文章を解析し、自動でルビの候補をダイアログボックスに表示します。ユーザーは、その候補が正しいかを確認し、必要であれば修正して「OK」を押します。

この方法であれば、一文字ずつ手動でふりがなを入力する手間は省け、Wordの「自動ふりがな(ルビ)候補」機能の恩恵を受けることができます。ただし、これはパワーポイント内で完結しているわけではなく、あくまでWordの機能を間借りしている形です。また、Wordの自動解析も完璧ではなく、特に固有名詞や専門用語、同音異義語などでは、意図しないふりがなが候補として挙がる場合もあるため、最終的な確認と修正は必要になる点に留意が必要です。純粋なパワーポイントの機能として「ふりがなを自動で振る」ことは難しいのが現状と言えるでしょう。

パワポにルビのショートカットは存在?

作業効率化のために、パワポでルビのショートカットを探している方もいらっしゃるかもしれません。しかし、これまで述べてきた通り、パワーポイントには標準のルビ機能が搭載されていません。機能自体が存在しないため、残念ながら「ルビ機能を呼び出すための専用ショートカットキー」も存在しない、というのが現状です。

Wordであれば、テキストを選択した状態で特定のキー操作(例えばAltキーを押してからH、Rと順に押すなど、リボンのアクセスキーを辿る方法)でルビ設定ダイアログを呼び出すことが可能です。しかし、同じ操作をパワーポイントで行っても、ルビ機能は起動しません。

もし「パワポルビショートカット」に近い操作を求めるとすれば、それは代替策を実行する際のショートカット、ということになるでしょう。

例えば、「テキストボックスの手動配置」を行う場合、「挿入」タブから「テキストボックス」を選ぶ操作(Alt -> N -> X など)や、オブジェクトを「グループ化」する操作(Ctrl+G)、「最前面へ移動」する操作(Alt -> JD -> A -> F など)といった、パワーポイントの一般的なショートカットキーを駆使して作業を早めることは可能です。

また、「Wordオブジェクトの挿入」を行う場合、オブジェクト挿入のダイアログ(Alt -> N -> J)を呼び出すことはできますが、その後の「MicrosoftWordDocument」の選択や、挿入されたWordオブジェクト内でのルビ設定(これはWordのショートカット)は、一連のキー操作として複雑になりがちです。

結論として、パワーポイント上で単一のキー操作でルビを振るような、専用のショートカットは期待できないと言えます。

パワーポイントでルビにマクロは使える?

より高度な自動化を求めて、パワーポイントでルビを扱うためのマクロ(パワーポイントルビマクロ)の利用を検討する方もいるかもしれません。VBA(VisualBasicforApplications)を使用すれば、パワーポイントの多くの操作を自動化することが可能です。

しかし、ここでも「パワーポイントに標準ルビ機能がない」という事実が壁となります。マクロ(VBA)は、基本的にそのアプリケーションが持っている機能をプログラムから呼び出して実行するものです。パワーポイントのテキストオブジェクト(Shape)には、WordのRangeオブジェクトが持つような.PhoneticGuide(ルビを扱うためのプロパティ)が存在しないと考えられます。そのため、Wordのマクロでルビを自動設定するような簡単なコードを書いても、パワーポイントでは動作しない可能性が極めて高いです。

では、マクロでルビを実現する方法は全くないのでしょうか。不可能ではありませんが、非常に複雑なアプローチが求められるでしょう。

例えば、VBAマクロを使って以下のような処理を自動化することが考えられます。

  1. ユーザーが選択したテキストボックス(親文字)の位置と内容を取得する。
  2. 親文字のテキスト内容をWordの機能(例えば、VBAからWordアプリケーションをバックグラウンドで起動し、Wordのルビ自動設定機能を利用するなど)に渡して、ふりがなを取得する。
  3. 取得したふりがなを使って、新しいテキストボックス(ルビ用)をパワーポイント上に作成する。
  4. ルビ用テキストボックスのフォントサイズやスタイルを設定する。
  5. 親文字テキストボックスの位置情報(上端、左端、幅など)を計算し、ルビ用テキストボックスを親文字の真上に正確に配置する。
  6. (オプション)親文字とルビ用テキストボックスを自動でグループ化する。

これは実質的に「テキストボックスの手動配置」をマクロで高速に実行するものであり、かなりのVBAプログラミング知識が必要となります。また、Wordオブジェクトを挿入する操作をマクロ化することも考えられますが、これもアプリケーション間連携を含む高度なコーディングが求められます。したがって、一般的なユーザーが手軽に利用できる「パワーポイントルビマクロ」は、現状ではあまり現実的ではないかもしれません。

パワポでのルビの振り方に関する総まとめ

今回は、パワーポイント(パワポ)でのルビの振り方についてお伝えしました。以下に、本記事の内容を要約します。

・パワーポイントにはWordやExcelと異なり、標準のルビ(ふりがな)機能は搭載されていない

・ルビを実現するには「代替方法」を講じる必要がある

・代替策1は「テキストボックスの手動配置」である

・テキストボックス方式は手軽だが、親文字とルビの位置がずれやすい

・位置ずれ対策として、親文字とルビのテキストボックスを「グループ化」する方法がある

・代替策2は「Wordオブジェクトの挿入」である

・「挿入」タブから「オブジェクト」を選び「MicrosoftWordDocument」を挿入する

・Wordオブジェクト内でWordのルビ機能を使用するため、正確な配置が可能である

・Wordオブジェクト方式は、テキストボックス方式より手順がやや複雑になる

・代替策3として「Excelからのコピー&ペースト」も考えられる

・Excelでふりがなを表示させたセルをコピーし、パワポに貼り付ける

・貼り付け方法によっては、ルビ情報が失われるか画像化する可能性がある

・Mac版パワーポイントでも標準ルビ機能はなく、同様の代替策が必要である

・パワーポイント2016でも状況は同じで、標準ルビ機能は搭載されていない

・パワーポイントでルビが表示されない原因は、機能の不存在や代替策の設定ミスが考えられる

・ルビが表示されない時の解決策は、オブジェクトの重なり順やフォント設定、オブジェクトサイズの確認である

・パワーポイントでふりがなを自動で振るには、Wordオブジェクト挿入でWordの自動ルビ機能を利用するのが近い

・パワポには標準ルビ機能がないため、専用のショートカットキーも存在しない

・パワーポイントのVBAマクロでルビを直接操作する簡単な方法は存在しない

・マクロでルビを実現するには、テキストボックス配置やWord連携を自動化する複雑なコードが必要である

この記事で解説したように、パワーポイントでルビを振るにはいくつかの代替アプローチが存在します。それぞれの方法にはメリットとデメリットがあるため、作成する資料の目的や、ルビを振りたい箇所の多さ、作業の頻度に応じて、最適な方法を選択することが重要になるでしょう。ご自身のスタイルに合った「パワポでのルビの振り方」を見つけていただければ幸いです。

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