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パワポのスライドショーを自動再生させる設定方法は?ループさせるコツも解説!

プレゼンテーションや店頭のデジタルサイネージ、オフィスの受付などで、PowerPoint(パワポ)のスライドショーを自動で再生したいと考える場面は少なくないかもしれません。一度設定してしまえば、人の手を介さずに情報を発信し続けられるため、非常に便利な機能です。しかし、いざ設定しようとすると「どこを操作すればいいのかわからない」といった疑問や、「設定したはずなのにパワーポイントの自動再生ができない」といったトラブルに直面することもあるようです。また、単に自動再生させるだけでなく、パワポのスライドショーを自動再生でループさせたいというニーズも多く聞かれます。パワポのスライドショーの自動再生は、一見複雑に思えるかもしれませんが、いくつかの重要な設定項目を順序立てて確認していくことで、多くの場合、意図した動作に近づけることが可能です。

この記事では、パワポのスライドショーを自動で再生させるための基本的な設定方法から、時間設定のコツ、トラブルシューティングまでを解説します。

・パワポのスライドショーを自動再生させる基本的な設定手順

・スライドが切り替わる時間(タイミング)の調整方法

・スライドショーを繰り返し再生(ループ)させるための設定

・自動再生がうまくいかない場合の主な確認点

パワポのスライドショーで自動再生を実現する基本設定

ここでは、パワポのスライドショーの自動再生に関連する基本的な設定方法について説明していきます。自動再生を実現するには、主に「画面切り替え」タブと「スライドショーの設定」の2カ所が重要になることが多いようです。順に見ていきましょう。

自動再生の主な利用シーンとは

「画面切り替え」タブでの設定

「スライドショーの設定」を確認

すべてのスライドに適用する方法

特定のスライドだけ自動にする

自動再生の時間を設定する

自動再生の主な利用シーンとは

PowerPointのスライドショー自動再生機能は、人の操作を介さずに情報を提示したい場合に幅広く利用される可能性があります。この機能がどのような場面で役立つのかを理解しておくことは、設定の目的を明確にする上で助けになるかもしれません。

まず考えられるのが、商業施設や店舗でのデジタルサイネージとしての活用です。例えば、セール情報や新商品の紹介、レストランのメニューなどをスライドショーにして自動再生・ループさせておくことで、通行人の関心を引くことができるでしょう。

次に、展示会やイベントブースでの利用も挙げられます。ブースにスタッフが常駐できない時間帯や、メインのプレゼンテーションの合間などに、製品のデモンストレーション動画やコンセプト紹介を自動再生しておくことで、来場者に対して継続的に情報を発信し続けることが可能になります。

また、オフィスの受付や待合室での情報提供にも適していると考えられます。会社概要やサービス紹介、訪問者への案内、あるいは社内向けの連絡事項などを表示させるのに使われることがあります。

この他にも、学校のオープンスクールでの校内紹介、病院の待合室での健康情報のアナウンス、結婚式や祝賀会での写真スライドショーなど、活用シーンは多岐にわたります。

このように、自動再生機能は「一度設定すれば、あとは再生し続けてほしい」というニーズに応えるための機能と言えるでしょう。ただし、視聴者の注意を引き続けるためには、スライドのデザインだけでなく、パワポのスライドショーの自動再生時間の調整が重要になる点も考慮に入れる必要がありそうです。

「画面切り替え」タブでの設定

スライドショーの自動再生を設定する上で、最も基本的かつ重要な操作の一つが、「画面切り替え」タブ(バージョンによっては「切り替え」タブ)での設定です。このタブでは、スライドが次のスライドに移る際の視覚効果(アニメーション)と、切り替わる「タイミング」を制御することができます。

自動再生を行うための手順は、以下のようになる場合が多いです。

まず、PowerPointファイルを開き、自動再生の設定を適用したいスライドを選択します。スライドが1枚だけの場合はそのスライドを、複数のスライドに設定する場合は、まず1枚目のスライドを選択するところから始めると分かりやすいかもしれません。

次に、画面上部のリボンメニューから「画面切り替え」タブをクリックします。

タブの右側(多くのバージョンの場合)に「タイミング」というグループがあります。ここで注目すべきは「スライドの切り替え」という項目です。

デフォルトでは、「クリック時」にのみチェックが入っていることが多いようです。これは、スライドショー実行中にマウスクリックやキーボードの矢印キーを押すことによって、手動で次のスライドに進める設定を意味します。

パワポのスライドショーを自動再生させるには、まずこの「クリック時」のチェックボックスを外す必要があります(残しておくと、自動再生と手動操作が併用できる状態になりますが、意図しない動作の原因になることも考えられます)。

そして、その下にある「自動的に切り替える」(または「後」)のチェックボックスをオンにします。

チェックボックスをオンにすると、その右側にある時間入力ボックスがアクティブになります。ここで、そのスライドを表示させておく時間を「分:秒.コンマ秒」の形式で設定します(例:00:05.00 と入力すると5秒間表示されます)。

この設定を、自動再生したいすべてのスライドに対して行うことが基本となります。

「スライドショーの設定」を確認

「画面切り替え」タブで各スライドの表示時間を設定しただけでは、まだパワポのスライドショーが自動再生されない場合があります。もう一つ、スライドショー全体の動作を管理する「スライドショーの設定」ダイアログボックスの確認が必要になるかもしれません。

この設定画面にアクセスするには、まずリボンメニューの「スライドショー」タブをクリックします。

次に、「設定」グループの中にある「スライドショーの設定」というボタンをクリックします。すると、新しいウィンドウ(ダイアログボックス)が表示されます。

この画面では、スライドショーの「種類」を選ぶことができます。

・「発表者として表示(フルスクリーン)」:一般的なプレゼンテーションモードです。

・「出席者として参照(ウィンドウ表示)」:PowerPointのウィンドウ内でスライドショーが実行されます。

・「情報キオスク(フルスクリーン)」:これが重要なポイントの一つです。サイネージなどでの利用を想定したモードで、多くの場合、自動再生やループ設定と組み合わせて使用されます。

次に、「スライドの切り替え」セクションを確認します。

・「手動」

・「タイミングが設定されている場合は、それを使用する」(または「スライドに設定されたタイミング」)

ここで「手動」が選択されていると、たとえ「画面切り替え」タブで時間を設定しても、それが無視されてしまい、「パワーポイントの自動再生ができない」という状況になる可能性があります。パワポのスライドショーを自動再生させるには、必ず「タイミングが設定されている場合は、それを使用する」が選択されていることを確認する必要があります。

なお、「情報キオスク」モードを選択すると、多くの場合、この「タイミングの使用」と、後述する「ループ再生」が自動的に選択されるようです。用途がサイネージなど無人での再生であれば、最初から「情報キオスク」を選ぶのも一つの方法でしょう。

すべてのスライドに適用する方法

プレゼンテーションのすべてのスライドを、同じ時間間隔(例えば、すべて5秒ごと)で自動的に切り替えたい場合、1枚ずつスライドを選択して時間を設定していくのは非常に手間がかかります。PowerPointには、こうした作業を効率化するために、設定を一括で適用する機能が用意されています。

この操作も「画面切り替え」タブで行います。

まず、任意のスライドを1枚選択します(通常は1枚目のスライドで操作すると分かりやすいでしょう)。

次に、H3-2「『画面切り替え』タブでの設定」で説明した手順に従い、「クリック時」のチェックを外し、「自動的に切り替える」にチェックを入れて、希望する時間(例:00:05.00)を入力します。

この時点では、まだ設定が変更されたのは選択中のスライド1枚だけです。

ここで、「タイミング」グループ内をよく見ると、「すべてに適用」というボタンがあるはずです。

この「すべてに適用」ボタンをクリックします。

これにより、現在アクティブになっている「画面切り替え」の設定(この例では「5秒で自動切り替え」)が、ファイル内に存在するすべてのスライドに対して一括で適用されます。

この方法は、すべてのスライドの重要度や情報量(テキスト量)が均一である場合には非常に有効です。

ただし、注意点もあります。この「すべてに適用」は、設定した時間だけでなく、同時に選択している「画面切り替え効果」(フェードやワイプなど)もすべてに適用してしまいます。もしスライドごとに異なる切り替え効果を使いたい場合は、この方法が適さない可能性もあるため、用途に応じて使い分けることが求められるかもしれません。

特定のスライドだけ自動にする

スライドショー全体を自動再生するのではなく、プレゼンテーションの一部、つまり特定のスライド間だけを自動で送り、他の部分は手動(クリック)で操作したい、というケースも考えられます。例えば、本編の解説は手動で行い、途中のデモンストレーション部分の数枚のスライドだけを連続で自動再生したい、といった場合です。

このようなハイブリッドな設定も可能です。この場合は、H3-4で説明した「すべてに適用」ボタンは使用しません。

手順としては、まず、自動再生させたいスライドの「手前」のスライド(手動で操作する最後のスライド)の設定を確認します。このスライドは、「画面切り替え」タブの「タイミング」で「クリック時」のみにチェックがあり、「自動的に切り替える」のチェックが外れている状態(デフォルトの状態)にしておきます。

次に、自動再生を開始したいスライド(例えば、デモの1枚目)を選択します。

「画面切り替え」タブで、「クリック時」のチェックを外し、「自動的に切り替える」にチェックを入れ、表示時間を設定します。

続けて、自動再生させたいスライド(デモの2枚目、3枚目…)も同様に、1枚ずつ選択して「クリック時」を外し、「自動的に切り替える」に時間を設定していきます。

そして、自動再生を終了させたいスライド(デモの最後のスライド)の設定も重要です。このスライドにも「自動的に切り替える」で時間を設定します。

最後に、自動再生が終わった後に表示されるスライド(再び手動操作に戻るスライド)の設定を確認します。このスライドは、自動再生の「手前」のスライドと同様に、「クリック時」のみにチェックがある状態に戻しておきます。

こうすることで、手動でプレゼンを進めていき、自動再生が設定されたスライドに到達すると、そこから数枚が自動で再生され、自動再生区間が終わると再びクリック待ちの状態で停止する、という動作が実現できる可能性があります。

自動再生の時間を設定する

パワポのスライドショーの自動再生時間の設定は、スライドショーの成否を分けると言っても過言ではないほど重要な要素かもしれません。時間が短すぎれば視聴者は内容を読み取る前に次のスライドに移ってしまい、長すぎれば視聴者を退屈させてしまう可能性があります。

時間の基本的な設定方法は、前述の通り「画面切り替え」タブの「タイミング」グループにある「自動的に切り替える」のボックスで行います。

適切な時間は、スライドの用途と内容によって大きく異なります。

例えば、デジタルサイネージのように、主に画像やキャッチコピーだけで構成されるスライドであれば、1枚あたり3秒から5秒程度でも十分かもしれません。

一方、テキストやグラフが多く含まれ、視聴者に「読ませる」必要があるスライドの場合は、10秒、15秒、あるいはそれ以上といった長めの時間設定が求められるでしょう。

すべてのスライドに同じ時間を設定する(「すべてに適用」を使う)のは簡単ですが、スライドごとに情報量が異なる場合は、手間を惜しまずに個別に最適な時間を設定する方が、結果として伝わりやすいスライドショーになる可能性が高いです。

また、PowerPointには「リハーサル」という機能が搭載されています。これは、「スライドショー」タブの「設定」グループ内にあります。

「リハーサル」を実行すると、実際にスライドショーが開始され、画面には経過時間が表示されます。発表者が原稿を読み上げるタイミングや、視聴者が内容を理解するのに十分と思われるタイミングでクリック(またはキー操作)してスライドを進めていきます。

スライドショーを最後まで終えると、PowerPointが各スライドの表示にかかった時間を記録しており、そのタイミングをスライドの自動切り替え時間として保存するかどうかを尋ねてきます。

このリハーサル機能を使うことで、単に固定の秒数を割り当てるよりも、より自然な「間(ま)」を持った時間設定が実現できるかもしれません。


パワポのスライドショーを自動再生する応用とトラブル対処

ここでは、パワポのスライドショーの自動再生に関連する応用的な設定や、うまくいかない場合の対処法について説明していきます。ループ設定やアニメーションとの連携、Macでの設定方法など、より具体的なケースを順に見ていきましょう。

自動再生をループさせる設定

アニメーションの自動再生

自動再生ができない時の確認点

自動再生を解除する方法

Mac版での自動再生設定

パワポのスライドショー自動再生の要点

自動再生をループさせる設定

デジタルサイネージや展示会のブースなどでスライドショーを無人再生する場合、単に自動再生するだけでなく、最後のスライドまで到達したら自動的に最初のスライドに戻り、再生を永遠に繰り返してほしい、という要求がほとんどでしょう。これが「ループ再生」です。

パワポのスライドショーを自動再生でループさせる設定は、H3-3で触れた「スライドショーの設定」ダイアログボックス内で行います。

まず、「スライドショー」タブをクリックし、「設定」グループの「スライドショーの設定」を選択します。

表示されたダイアログボックスの中に、「オプション」というセクションがあります。

その中に、「Escキーが押されるまで繰り返す」(または「Escキーが押されるまでループ再生する」)というチェックボックスがあります。

このチェックボックスをオンにして「OK」ボタンを押すだけで、ループ再生の設定は完了です。

この設定と、H3-2およびH3-6で解説した「画面切り替え」タブでの「自動的に切り替える」(時間設定)を組み合わせることで、スライドショーは設定された時間で自動的に進み、最後(例えば10枚目)のスライドの表示時間が経過すると、自動的に1枚目のスライドに戻って再生を続けます。

このループ再生を停止したい場合は、その名の通り、キーボードの「Esc(エスケープ)キー」を押す必要があります。

ちなみに、「スライドショーの設定」の種類で「情報キオスク(フルスクリーン)」を選ぶと、多くの場合、この「Escキーが押されるまで繰り返す」が自動的にオンになるようです。キオスクモードは、不特定多数の人が見る環境での再生を想定しているため、ループ再生が標準的な動作として組み込まれていると考えられます。無人での自動再生とループ再生が目的ならば、「情報キオスク」モードの利用を検討するのが最も手軽な方法かもしれません。

アニメーションの自動再生

スライドショーの自動再生を設定した際に、もう一つ考慮すべき点がスライド内の「アニメーション」です。スライド自体は自動で切り替わるようになっても、スライド内のテキストや図形に「クリック時」に開始するアニメーションが設定されていると、そのアニメーションが実行されないまま(あるいは実行される前に)次のスライドに進んでしまう可能性があります。

パワーポイントのアニメーションを自動再生(つまり、スライドが表示されたと同時に、または順番に自動で動かす)設定も重要です。

この設定は、「アニメーション」タブで行います。

まず、アニメーションを設定したいオブジェクト(テキストボックスや図形)を選択し、「アニメーション」タブから任意のアニメーション(フェード、スライドインなど)を設定します。

次に、「アニメーション」タブの右側にある「タイミング」グループに注目します。「開始」というドロップダウンメニューがあります。

デフォルトでは、ここが「クリック時」になっています。これを変更する必要があります。

・「直前の動作と同時」:スライドが表示される(または直前のアニメーションが開始する)と同時に、このアニメーションも開始されます。

・「直前の動作の後」:スライドが表示された後(または直前のアニメーションが終了した後)に、このアニメーションが自動的に開始されます。

複数のアニメーションを順番に自動再生したい場合は、1つ目を「直前の動作と同時」(または「直前の動作の後」)、2つ目以降を「直前の動作の後」に設定していくと、連動して動くようになります。

ここで注意が必要なのは、スライドの切り替え時間との関係です。

例えば、「画面切り替え」タブでスライドの表示時間を「5秒」に設定したとします。しかし、スライド内のアニメーションが「直前の動作の後」で連なっており、すべてのアニメーションが終了するのに「8秒」かかるとします。この場合、アニメーションの途中で、スライドの切り替え時間(5秒)が来てしまい、意図した表示がなされる前に次のスライドに進んでしまうことが考えられます。これはパワポのスライドショーが勝手に進むと感じる一因かもしれません。

スライドの自動切り替え時間(画面切り替えタブ)は、スライド内のすべてのアニメーションが完了する時間よりも長く設定する必要がある、という点を覚えておくとよいでしょう。

自動再生ができない時の確認点

設定を施したにもかかわらず、「パワーポイントの自動再生ができない」という状況に陥った場合、いくつかの設定項目を見直すことで解決する可能性があります。慌てずに、以下の点を確認してみることをお勧めします。

  1. 「スライドショーの設定」の確認(最重要):「スライドショー」タブの「スライドショーの設定」を開きます。「スライドの切り替え」セクションが「手動」になっていないでしょうか。必ず「タイミングが設定されている場合は、それを使用する」(または「スライドに設定されたタイミング」)が選択されていることを確認してください。ここが「手動」になっていると、他の設定がすべて正しくても自動再生は行われません。
  2. 「画面切り替え」タブの確認:自動再生したいスライドが選択された状態で、「画面切り替え」タブの「タイミング」グループを確認します。「自動的に切り替える」にチェックが入っており、かつ時間が設定されているか(0秒になっていないか)を確認します。また、意図せず「クリック時」にもチェックが入ったままになっていないかも確認しましょう。
  3. 「すべてに適用」の押し忘れ:もし、すべてのスライドを同じ時間で再生したい場合、1枚のスライドで設定した後、「すべてに適用」ボタンを押し忘れていないか確認します。1枚目のスライドだけに時間が設定されていて、2枚目以降が手動設定のままになっている可能性があります。
  4. アニメーション設定の干渉:スライドは切り替わるものの、途中で止まってしまうように見える場合、H3-8で触れたアニメーションが原因かもしれません。「アニメーション」タブの「アニメーションウィンドウ」を表示させ、開始タイミングが「クリック時」になっているアニメーションが残っていないか確認します。スライドの自動再生中、「クリック時」のアニメーションがあると、そこで再生が一時停止し、クリックを待つ状態になるためです。

これらの点を確認しても解決しない場合、PowerPointのバージョンや、使用しているファイル(テンプレート)固有の問題、あるいは他の常駐ソフトウェアの影響なども考えられますが、多くの場合、上記1〜4のいずれかの設定見直しで対応できることが多いようです。

自動再生を解除する方法

一度設定したパワポのスライドショーの自動再生を解除し、通常の「クリックして進む」手動のプレゼンテーションに戻したい場合もあるでしょう。解除は、設定時と逆の手順を踏むことで比較的簡単に行えます。

スライドの自動切り替え設定をまとめて解除する方法は以下の通りです。

まず、リボンメニューから「画面切り替え」タブをクリックします。

次に、スライド一覧(左側のサムネイル表示)で、任意のスライドを1枚選択します(どのスライドでも構いません)。

「タイミング」グループの「スライドの切り替え」セクションで、設定されている「自動的に切り替える」のチェックボックスをオフにします。

そして、その上にある「クリック時」のチェックボックスをオンにします(これが手動設定のデフォルトです)。

この状態(クリック時オン、自動オフ)にした上で、「すべてに適用」ボタンをクリックします。

これにより、ファイル内のすべてのスライドから自動切り替えのタイミング設定が削除され、クリックでのみスライドが進む状態に戻ります。

もし、H3-7で設定した「ループ再生」も解除したい場合は、別途操作が必要です。

「スライドショー」タブの「スライドショーの設定」を開きます。

「オプション」セクションにある「Escキーが押されるまで繰り返す」のチェックボックスをオフにし、「OK」をクリックします。

また、H3-8で設定した「アニメーションの自動再生」を解除したい場合は、さらに個別の対応が求められます。

「アニメーション」タブの「アニメーションウィンドウ」を開き、開始タイミングが「直前の動作と同時」や「直前の動作の後」になっているアニメーションを一つずつ選択し、開始タイミングを「クリック時」に変更していく必要があります。

スライドの自動再生解除は「すべてに適用」で一括にできますが、アニメーションの解除は個別対応が必要になる場合がある、と覚えておくとよいかもしれません。

Mac版での自動再生設定

PowerPointはWindows版だけでなく、Mac版も広く使われています。基本的な機能は共通していますが、メニューの配置や名称が微妙に異なることがあるため、パワポのスライドショーの自動再生をMac版で設定する方法についても触れておきます。

結論から言うと、Mac版でもWindows版とほぼ同じ概念で設定が可能です。

  1. スライドの自動切り替え(時間設定):Mac版でも「画面切り替え」(Transitions)タブがリボンに存在します。スライドを選択し、「画面切り替え」タブを開くと、Windows版と同様に右側に「タイミング」(Timing)セクションがあります。「クリック時」(On Mouse Click)のチェックを外し、「自動的に切り替える」(After)にチェックを入れ、時間を設定します。スライド全体に適用したい場合は、その近くにある「すべてに適用」(Apply To All)ボタンをクリックします。操作感はWindows版とほとんど変わらないと言えるでしょう。
  2. スライドショーの全体設定(ループ再生など):Mac版でも「スライドショー」(Slide Show)タブがあります。その中にある「スライドショーの設定」(Set Up Slide Show)をクリックすると、設定用のダイアログボックスが開きます。ここで、「スライドの切り替え」(Advance slides)の項目が「タイミングを使用する」(Using timings, if present)になっていることを確認します(「手動」(Manually)になっていれば自動再生されません)。ループ再生を設定する場合は、「オプション」(Show options)セクションにある「Escキーが押されるまで繰り返す」(Loop continuously until ‘Esc’)にチェックを入れます。

このように、UIのデザインや若干の文言の違いはあっても、自動再生の根幹となる「画面切り替えタブでの時間設定」と「スライドショー設定タブでのタイミング使用の確認」という2つのステップは、Mac版でも共通しているようです。

パワポのスライドショー自動再生の要点

今回はパワポのスライドショーの自動再生に関連する設定やコツについてお伝えしました。以下に、本記事の内容を要約します。

・自動再生はデジタルサイネージや展示会での無人再生に活用される

・自動再生の鍵は「画面切り替え」タブと「スライドショーの設定」にある

・スライドの表示時間は「画面切り替え」タブの「自動的に切り替える」で設定する

・「クリック時」のチェックを外すことが自動再生の基本である

・設定を全スライドに反映するには「すべてに適用」ボタンが便利である

・スライドショー全体の設定は「スライドショーの設定」ダイアログで行う

・「スライドの切り替え」が「手動」だと自動再生されないため確認が必要である

・ループ再生は「Escキーが押されるまで繰り返す」にチェックを入れる

・「情報キオスク」モードは自動再生とループ設定を併用する場合に有用である

・スライド内のアニメーションも自動化が必要な場合がある

・アニメーションの自動化は「アニメーション」タブの開始タイミングで設定する

・自動再生ができない時は「スライドショーの設定」の手動設定を疑う

・自動再生の解除は「クリック時」オン「自動」オフにして「すべてに適用」する

・Mac版でもWindows版とほぼ同様の手順で自動再生の設定は可能である

・スライドの表示時間は内容に応じて個別に調整することが望ましい

本記事で紹介した内容は、PowerPointのバージョンやOS環境によって、一部の名称や操作方法が異なる可能性もあります。

しかし、スライドショーの自動再生に関する基本的な考え方(スライドごとの時間設定と、ショー全体の設定)は共通している部分が多いようです。

ご自身の目的に合わせて、これらの設定を柔軟に組み合わせて活用し、効果的なスライドショーの運用に役立てていただければ幸いです。

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