業務マニュアルや手順書を作成する際、文字だけの説明では伝わりにくいと感じることはないでしょうか。そのような場面で役立つのが、視覚的に流れを把握できるフローチャートです。多くのパソコンにインストールされているワードを使えば、専用のソフトを用意しなくても、直感的で分かりやすい図解を作成することが可能です。特にワードにはSmartArtという便利な機能が搭載されており、これを使えばデザインの知識がなくても、誰でも簡単にプロのような仕上がりのフローチャートを作ることができます。
本記事では、ワードでのフローチャートの作り方について、SmartArtを中心とした機能の使い方を詳しく解説していきます。ワードでフローチャートを簡単に作る方法や、縦方向への展開、枝分かれの表現、矢印や文字の調整方法など、実践的なテクニックを網羅しました。また、フローチャートはワードとエクセルのどっちで作るべきかという疑問や、テンプレートの活用方法、さらにはWordのフローチャートをきれいに見せるコツまで、幅広く紹介します。これからマニュアル作成や資料作りを行う方は、ぜひ参考にしてみてください。
・SmartArtを使った基本的なフローチャートの作成手順が分かる
・見やすくきれいなフローチャートに整えるデザインのコツを習得できる
・ワードとエクセルの使い分けやテンプレート活用など応用知識が得られる
・業務効率を高めるための視覚的な資料作成スキルが身につく
ワードでのフローチャートの作り方をSmartArtで学ぶ
ここではワードでのフローチャートの作り方について説明していきます。ワードにはSmartArtという、情報を視覚的に表現するためのグラフィック機能が標準で備わっています。この機能を使えば、図形を一つひとつ配置して線でつなぐという手間をかけずに、美しいフローチャートを一瞬で作成することが可能です。初めてフローチャートを作る方でも、直感的な操作で完成させることができるでしょう。それでは、SmartArtを使った具体的な作成手順や、文字入力、レイアウトの調整方法などを順に見ていきましょう。
・SmartArtでワードのフローチャートを簡単に作成
・ワードのフローチャートで文字を入力するコツ
・縦に伸びるワードのフローチャートの整え方
・枝分かれするワードのフローチャートの配置
・ワードのフローチャートで矢印を調整する方法
・Wordのフローチャートをきれいに見せる技
SmartArtでワードのフローチャートを簡単に作成
ワードでフローチャートを簡単に作成するための最も近道は、SmartArtグラフィックの活用です。まずはワードを開き、挿入タブにあるSmartArtをクリックすることから始めます。表示されるダイアログボックスには、リストや手順、循環など様々なカテゴリが用意されていますが、フローチャートを作成する場合は手順カテゴリを選択するのが一般的です。その中から基本的なプロセスなどのレイアウトを選ぶと、キャンバス上に図形のセットが自動的に配置されます。
この機能の素晴らしい点は、図形のサイズや間隔が自動で調整されることです。手動で四角形を描いて並べようとすると、どうしても大きさが不揃いになったり、中心がずれたりしがちですが、SmartArtならそのような心配はありません。初期配置された図形が必要な数より少ない場合でも、左側に表示されるテキストウィンドウやリボンの機能を使って、ワンクリックで図形を追加することができます。また、削除も同様に簡単に行えるため、工程の増減にも柔軟に対応できるでしょう。まずは基本の形を選び、画面上に配置してみることで、その手軽さを実感できるはずです。
ワードのフローチャートで文字を入力するコツ
ワードのフローチャートに文字を入力する際には、いくつかのコツを押さえておくと作業効率が格段に上がります。SmartArtを挿入すると、図形の中に直接カーソルを合わせて文字を打ち込むことができますが、実はテキストウィンドウを使用する方がスムーズな場合が多いのです。SmartArtグラフィックの左端にある矢印アイコンをクリックすると、箇条書きのようなテキスト入力エリアが表示されます。ここで文字を入力すると、自動的に対応する図形の中にテキストが反映される仕組みになっています。
このテキストウィンドウを使う最大のメリットは、図形内の文字数に合わせてフォントサイズが自動調整される点です。長い文章を入力しても、図形からはみ出さないように自動で縮小してくれるため、手動でフォントサイズを変更する手間が省けます。もちろん、全体のバランスを見ながら、ホームタブでフォントの種類や色を一括変更することも可能です。読みやすいフローチャートを作るためには、あまり長い文章を詰め込みすぎず、キーワードを中心に簡潔にまとめるのがポイントと言えるでしょう。また、改行をうまく活用して、図形内での収まりを良くすることも大切です。
縦に伸びるワードのフローチャートの整え方
業務フローや手順書などでは、上から下へと時系列に沿って進む、縦方向のフローチャートがよく使われます。ワードのSmartArtで縦向きのフローチャートを作成する場合、レイアウト選びが重要になります。手順カテゴリの中にある縦方向のプロセスなどを選ぶと、最初から縦に並んだ図形が表示され、矢印も下向きに設定されているため、修正の手間がほとんどありません。
作成の過程で工程が増えて図形が縦に長くなりすぎた場合は、ワードのページ設定を見直すことも一つの方法です。例えば、用紙のサイズをA4からA3に変更したり、余白を狭く設定したりすることで、描画領域を広げることができます。また、SmartArt全体の枠をドラッグしてサイズを調整することで、図形の縦横比を変えることも可能です。縦に長いフローチャートは、ページをまたぐと一覧性が損なわれる可能性があるため、なるべく1ページに収まるように工夫すると良いでしょう。改ページが必要なほど長くなる場合は、大きな工程ごとにフローチャートを分割することも検討してみてください。視線の移動が自然な縦型レイアウトは、読み手にとっても理解しやすい構成と言えます。
枝分かれするワードのフローチャートの配置
フローチャートを作成していると、条件によって処理が分岐する、いわゆる枝分かれの表現が必要になることがあります。YesやNoで進む道が変わるような場合です。SmartArtの基本的なプロセス図は一本道のものが多いですが、階層構造を持つ図解などを応用することで、枝分かれを表現することが可能です。例えば、階層構造カテゴリの組織図などを活用し、上のボックスから下に複数のボックスがぶら下がる形を作れば、分岐を視覚的に示すことができます。
また、テキストウィンドウでの操作も有効です。テキストウィンドウ内でTabキーを押してレベルを下げると、その項目は一つ上の項目の配下として扱われ、自動的に枝分かれした配置になるレイアウトがあります。もしSmartArtの標準機能だけで希望通りの複雑な分岐が作れない場合は、SmartArtで基本の形を作った後に、図形描画機能を使って個別に矢印や図形を追加する方法もあります。ただし、SmartArtと通常の図形を組み合わせる場合は、グループ化などを活用してレイアウトが崩れないように注意が必要です。分岐点はプロセスの要となる部分ですので、見る人が迷わないよう、配置のバランスには特に気を配りましょう。
ワードのフローチャートで矢印を調整する方法
ワードのフローチャートにおいて、矢印は情報の流れを示す非常に重要な要素です。SmartArtを使用している場合、図形と図形をつなぐ矢印は自動的に生成されることが多いですが、そのスタイルや向きを調整したい場面も出てくるでしょう。SmartArtのデザインタブや書式タブを使うことで、矢印の色や太さ、形状を変更することが可能です。例えば、全体のデザインに合わせて矢印を目立たせたり、逆に控えめにしたりすることで、図解の印象は大きく変わります。
もしSmartArtの自動設定では矢印の向きが意図した通りにならない場合は、個別に図形としての矢印を挿入する方法もあります。挿入タブの図形から矢印やコネクタを選び、図形同士を接続点（コネクタポイント）で結びます。こうすることで、図形を移動させても矢印が追従して伸び縮みするため、修正が容易になります。特に複雑なフローチャートでは、カギ線コネクタなどを使って、線が重ならないように整理すると見やすくなります。矢印の始点と終点が明確であることは、誤解のないフローチャートを作るための必須条件です。流れが逆行する場合や、ループする構造を作る際にも、矢印の使い方が鍵となります。
Wordのフローチャートをきれいに見せる技
Wordのフローチャートをきれいに仕上げるためには、配色やデザインの統一感が欠かせません。SmartArtには、あらかじめ用意された色の変更オプションやSmartArtのスタイルがあり、これらを活用するだけで、手軽に洗練されたデザインに変更することができます。例えば、寒色系でまとめて知的な印象にしたり、アクセントカラーを使って重要な工程を強調したりすることが可能です。ただし、あまり多くの色を使いすぎると、かえって見づらくなることもあるため、基本的には3色程度に抑えるのが無難でしょう。
また、図形のエフェクト機能を使えば、影をつけたり、立体的な見た目にしたりすることもできますが、ビジネス文書においてはシンプルさが好まれる傾向にあります。フラットなデザインを選ぶことで、印刷時のインク節約にもなり、視認性も高まります。さらに、フォントの種類やサイズを統一することも、きれいなフローチャートを作るための基本です。見出しと本文でフォントを使い分ける、重要なキーワードだけ太字にするなど、メリハリをつけると良いでしょう。最終的には、全体を俯瞰して、余白のバランスが取れているか、図形が整列しているかを確認することが、クオリティを高めるポイントです。
ワードでのフローチャートの作り方と応用テクニック
ここではワードでのフローチャートの作り方をさらに深掘りし、応用テクニックや他のツールとの比較について説明していきます。基本操作をマスターした後は、より効率的で目的に合った作成方法を知ることで、作業の幅が広がります。エクセルとの使い分けや、既存のテンプレートの活用、さらには図形描画機能を使った自由度の高い作成方法など、状況に応じた最適な手段を選ぶことが大切です。また、作成したフローチャートを資料として配布する際のポイントなども含め、実務で役立つ知識を順に見ていきましょう。
・フローチャートはワードとエクセルのどっちがいい
・ワードのフローチャートのテンプレート活用法
・図形からワードでフローチャートを作る手順
・複雑なフローチャートをワードで作る際のコツ
・作成したワードのフローチャートの保存と共有
・ワードでのフローチャートの作り方のまとめ
フローチャートはワードとエクセルのどっちがいい
フローチャートを作成する際、ワードとエクセルのどっちを使うべきか迷う方は多いかもしれません。結論から言えば、作成する目的や資料の最終形態によって適したツールは異なります。ワードは文書作成ソフトであるため、マニュアルや報告書の中にフローチャートを埋め込み、前後の文章と合わせて説明したい場合に最適です。レイアウトが固定されやすく、印刷時のズレも少ないため、読み物としての完成度を高めやすいのが特徴です。
一方、エクセルは表計算ソフトであり、広いキャンバスを自由に使えるという利点があります。セルの方眼紙状のグリッドを利用して図形を配置しやすいため、非常に大規模で複雑なフローチャートや、論理構成を検討する段階のラフ画を作成するのに向いています。また、データと連動させたい場合もエクセルが有利でしょう。しかし、最終的にワードの文書に貼り付けるのであれば、最初からワードで作った方が修正の手間が省けることもあります。どちらが良いか一概には言えませんが、文章が主体の資料ならワード、図解そのものが主体の資料や大規模なものはエクセル、といった使い分けを検討してみると良いでしょう。
ワードのフローチャートのテンプレート活用法
一からフローチャートを作るのが手間に感じる場合や、デザインに自信がない場合は、テンプレートを活用するのが賢い方法です。ワードには、オンラインで利用できる豊富なテンプレートが用意されており、これらをダウンロードして編集するだけで、完成度の高いフローチャートを作ることができます。ファイルタブの新規作成から検索ボックスにフローチャートと入力して検索すると、様々なデザインのテンプレートが表示されます。
また、マイクロソフトが提供する公式のテンプレートサイトや、有志が公開している無料のテンプレートを利用することも可能です。これらのテンプレートは、あらかじめ見やすい配色や配置が設定されているため、文字を書き換えるだけで実用的な資料になります。特に、スイムレーン図（部門ごとの役割分担を示すフローチャート）のような少し複雑な形式も、テンプレートを使えば枠組みを作る時間を大幅に短縮できます。テンプレートをベースにしつつ、自分の業務に合わせて図形を追加したり削除したりしてカスタマイズすることで、効率と品質を両立させることができるでしょう。既存の資源を有効活用することは、スマートな仕事術の一つです。
図形からワードでフローチャートを作る手順
SmartArtは便利ですが、より自由なレイアウトでフローチャートを作りたい場合は、図形描画機能を使って手動で作成する方法が適しています。挿入タブの図形メニューには、フローチャート専用の記号セットが用意されています。処理を表す長方形、判断を表すひし形、開始・終了を表す角丸四角形などを選び、キャンバス上にドラッグして配置していきます。この方法の利点は、図形の大きさや位置をピクセル単位で微調整できることです。
図形同士をつなぐ際は、線のメニューからカギ線コネクタなどを選びます。図形の端にある接続ポイントに近づけると、点がグレーに変わるので、そこでクリックして線を引きます。こうすることで図形と線が結合され、後で配置を変えても線がついてくるようになります。きれいに並べるコツは、表示タブにあるグリッド線を表示させておくことです。マス目に沿って図形を配置できるため、縦横のラインが揃いやすくなります。また、複数の図形を選択して配置タブの整列機能を使えば、等間隔に並べることも一瞬です。手間はかかりますが、思い通りの表現が可能になるため、こだわり派の方にはおすすめの手法です。
複雑なフローチャートをワードで作る際のコツ
工程が多く複雑に入り組んだフローチャートをワードで作る際には、いくつかの注意点があります。まず、描画キャンバスを利用することをお勧めします。挿入タブの図形から新しい描画キャンバスを選択すると、文書内に図形を描くための専用エリアが作成されます。このキャンバス内で図形を作成すると、フローチャート全体を一つの画像のように扱うことができ、文章の編集によって図の位置がずれるトラブルを防げます。
また、複雑な図は情報量が多くなりがちですので、ページ設定で用紙を横向きにするのも一つの手です。それでも収まりきらない場合は、全体図と詳細図に分ける構成を検討してください。無理に一枚の図に詰め込むと、文字が小さくなりすぎて読めなくなってしまいます。さらに、グループ化の機能を活用することも重要です。完成した部分ごとに図形をグループ化しておけば、移動やコピーが容易になり、誤って一部だけずらしてしまうミスを減らせます。複雑なものほど、後からの修正のしやすさを考慮して構造を作っておくことが、長期的な管理のしやすさにつながります。
作成したワードのフローチャートの保存と共有
フローチャートが完成したら、それをどのように保存し、共有するかも大切なポイントです。ワードファイル（.docx）として保存するのは基本ですが、相手の環境によってはレイアウトが崩れて表示される可能性があります。特に、異なるバージョンのワードを使っている場合や、スマートフォンで閲覧する場合には注意が必要です。そのため、閲覧専用として配布する場合は、PDF形式で保存することをお勧めします。PDFであれば、フォントや図の配置が固定されるため、作成した通りの見た目で相手に伝えることができます。
ファイルタブのエクスポートまたは名前を付けて保存から、ファイルの種類をPDFに指定するだけで簡単に変換できます。また、フローチャート部分だけを画像として保存したい場合は、図形全体を選択してコピーし、ペイントなどの画像編集ソフトに貼り付けて保存するか、図として保存の機能を使います。こうすれば、パワーポイントのスライドやWebページなど、他の媒体にも素材として使い回すことができます。苦労して作ったフローチャートですから、用途に合わせて最適な形式で出力し、多くの人に活用してもらえるようにしましょう。
ワードでのフローチャートの作り方のまとめ
今回はワードでのフローチャートの作り方についてお伝えしました。以下に、本記事の内容を要約します。
・ワードのSmartArtを使えば直感的に図解が作れる
・SmartArtの手順カテゴリがフローチャートに適している
・図形の追加や削除は自動調整されるため手間がかからない
・テキストウィンドウを使うと文字入力がスムーズである
・文字数に応じてフォントサイズが自動で変わる機能がある
・縦長のフローチャートは用紙設定や余白で調整する
・枝分かれは階層構造やレベル下げ機能で表現できる
・矢印のスタイル変更で情報の流れを強調できる
・配色はテーマ機能を使うと統一感が出やすい
・ワードは文書内での説明、エクセルは大規模図解に向く
・テンプレートを活用すればデザインの手間を省ける
・図形描画機能を使えば自由度の高い配置が可能である
・グリッド線や配置機能を使うときれいに整列できる
・描画キャンバスを使うと図のズレを防ぎやすい
・配布時はPDF化することでレイアウト崩れを回避できる
ワードでのフローチャート作成は、一度やり方を覚えてしまえば、業務のあらゆる場面で応用が効くスキルです。
文章だけでは伝わりにくい複雑な手順も、図解があるだけで驚くほど理解しやすくなります。
ぜひ本記事で紹介したテクニックを活用して、読み手に親切な分かりやすい資料作りを目指してみてください。
これはCTAサンプルです。
内容を編集するか削除してください。
