ビジネスシーンや学校の発表などで、パワーポイントのスライド資料を作成する機会は多いはずです。
枚数が多い資料の場合、今どのあたりを説明しているのかが分からないと、聞き手は不安を感じてしまうかもしれません。
そこで役立つのが、スライドに番号を振る機能です。
手動で一つひとつ番号を入力している方もいるかもしれませんが、修正が入った時の手間を考えると、やはり自動設定が便利ではないでしょうか。
今回は、パワポのページ番号を自動で振る方法や、表示されない時の対処法について、詳しく解説していきます。
基本的な設定から応用的な配置まで、幅広く触れていきますので、ぜひ参考にしてみてください。
この記事を読むことで、以下のメリットが得られます。
・パワーポイントのページ番号を自動で設定する基本的な手順が理解できる
・スライドの右上や途中からなど、ページ番号の位置や開始番号を自由に調整できるようになる
・ページ番号が表示されない、あるいは更新されないといったトラブルの原因と解決策がわかる
・スライドマスターを活用して、より効率的にスライド管理を行うための知識が身につく
パワポのページ番号を自動で設定する基本手順
ここでは、パワポのページ番号を自動で設定する基本手順について説明していきます。
パワーポイントには、簡単な操作で全スライドに番号を割り振る機能が備わっています。
しかし、ただ番号を出すだけでなく、位置を変えたり、分母をつけたりと、状況に合わせたカスタマイズが必要になることもあるでしょう。
基本的な操作をマスターすれば、資料作成の効率は格段に上がります。
順に見ていきましょう。
・パワーポイントのページ番号を表示させる基本
・パワーポイントのページ番号の位置を調整する
・パワーポイントのページ番号が分母付きの形式
・パワーポイントのページ番号を1から始める
・パワーポイントのページ番号を右上にする方法
・パワーポイントのページ番号が3枚目から開始
パワーポイントのページ番号を表示させる基本
まずは、最も基本的な設定方法から確認していきましょう。
パワーポイントのページ番号を表示させる基本操作は、メニューバーにある「挿入」タブから行います。
多くの人が見落としがちなのが、テキストボックスで手動入力してしまうことですが、これではスライドが増減した際に修正が大変です。
そこで「スライド番号」という機能を使います。
「挿入」タブの中にある「ヘッダーとフッター」をクリックすると、設定画面が表示されます。
この中にある「スライド番号」という項目にチェックを入れるだけで、全てのスライドに自動的に番号が振られる仕組みになっています。
これを活用すれば、スライドの順番を入れ替えたとしても、パワーポイントが自動で番号を振り直してくれるため、手間がかかりません。
また、この設定画面には「タイトルスライドに表示しない」というオプションもあります。
表紙に番号を入れたくない場合は、このチェックボックスを活用すると良いでしょう。
基本操作は非常にシンプルですが、これを知っているだけで作業効率は大きく変わります。
まずはこの設定を確実に覚えることから始めてみてはいかがでしょうか。
パワーポイントのページ番号の位置を調整する
次に、番号が表示される場所について考えてみます。
デフォルトの設定では、パワーポイントのページ番号の位置は右下に配置されることが一般的です。
しかし、デザインやレイアウトの都合上、左下や中央に配置したい場合もあるかもしれません。
通常の編集画面では、番号が入っているボックスをドラッグして動かすことができますが、これではスライドごとに位置がずれてしまう可能性があります。
すべてのスライドで統一した位置に調整したい場合は、「スライドマスター」を使用するのがおすすめです。
「表示」タブから「スライドマスター」を開くと、スライドの設計図のような画面になります。
ここでページ番号の領域（<#>と表示されているボックス）を希望の位置に移動させることで、全てのスライドにその変更を一括で反映させることができます。
一方、特定のスライドだけ位置を変えたい場合は、そのスライド上で個別に移動させることも可能です。
ただ、統一感を出すためには、基本的にはスライドマスターでの調整が良いでしょう。
デザイン性を損なわず、かつ視認性の良い位置を見つけることが、見やすい資料作りの第一歩と言えるかもしれません。
パワーポイントのページ番号が分母付きの形式
資料全体のボリュームを伝えるために、全体の枚数を分母として表示させたいこともあるでしょう。
例えば「1/10」のように、パワーポイントのページ番号が分母付きの形式になっていると、聞き手は残りの分量を把握しやすくなります。
しかし、パワーポイントの標準機能である「スライド番号」のチェックを入れるだけでは、現在のページ数しか表示されません。
分母を表示させるためには、少し工夫が必要です。
一つの方法として、スライドマスターを使用するやり方があります。
スライドマスターの画面で、ページ番号が表示されるボックスの横にテキストボックスを追加し、「/（総スライド数）」を手入力するという手法です。
ただし、この方法では総スライド数が変わるたびに手動で数字を書き換える必要があります。
頻繁に枚数が変わる資料の場合は、確認漏れが発生するリスクがあるかもしれません。
そこで、完成直前の最終段階で分母を入力するというルールにするのも一つの手です。
あるいは、手動入力の手間を惜しまないのであれば、各スライドにテキストボックスで書き込むことも可能ですが、やはりスライドマスターでの一括設定の方が効率的と言えるでしょう。
読み手への配慮として、分母をつけるかどうかを検討してみてはいかがでしょうか。
パワーポイントのページ番号を1から始める
表紙や目次を除いて、本文からページカウントを始めたいというケースもよくあります。
通常であれば表紙が1ページ目としてカウントされますが、パワーポイントのページ番号を1から始める設定に変更することは可能です。
これを行うには、「デザイン」タブにある「スライドのサイズ」設定を活用します。
「ユーザー設定のスライドのサイズ」を開くと、「スライド開始番号」という項目が見つかるはずです。
ここを「0」に設定すると、表紙が0ページ目、次のスライドが1ページ目という扱いになります。
そして、前述した「タイトルスライドに表示しない」の設定と組み合わせることで、表紙には番号が表示されず、2枚目のスライドに「1」と表示させることができるのです。
こうすれば、実質的な内容が始まるページからカウントを開始しているように見せることができます。
ただ、目次ページなどがあり、3枚目以降から1と振りたい場合は、この設定だけでは対応しきれないこともあります。
その場合は、セクション区切りを使ったり、あるいは手動で調整したりといった別の工夫が必要になるかもしれません。
いずれにしても、開始番号の調整は資料の構成に合わせて柔軟に行うことが大切です。
パワーポイントのページ番号を右上にする方法
スライドのデザインによっては、足元ではなく上部に番号を置きたいこともあるでしょう。
パワーポイントのページ番号を右上にする方法も、やはりスライドマスターを使うのが最も確実です。
先ほど位置の調整について触れましたが、右上に配置する場合も手順は同様です。
「表示」タブから「スライドマスター」を開き、フッター領域にあるページ番号のプレースホルダー（<#>のボックス）を選択します。
これをドラッグしてスライドの右上まで移動させれば完了です。
このとき、背景の画像やタイトル文字と重ならないように注意が必要です。
また、文字の色やフォントサイズも、背景色に合わせて見やすいものに変更しておくと良いでしょう。
右上への配置は、視線が自然と上に向くため、進行状況を確認しやすいというメリットがあるかもしれません。
一方で、タイトル文字が長い場合はごちゃごちゃした印象になる可能性もあります。
スライド全体のバランスを見ながら、最適な位置を探ってみてください。
固定観念にとらわれず、資料が見やすくなるのであれば、右上への配置も積極的に取り入れてみてはいかがでしょうか。
パワーポイントのページ番号が3枚目から開始
資料の構成上、表紙と目次には番号を振らず、本文となる3枚目のスライドから番号を振りたいという要望もあるでしょう。
パワーポイントのページ番号が3枚目から開始されるように見せるには、いくつかのテクニックが必要です。
標準機能の「スライド開始番号」を「0」にしても、対応できるのは2枚目から「1」にするまでが限界です。
3枚目から「1」と振りたい場合、最も単純な方法は、最初の2枚のスライドに対して「ページ番号を表示しない」ように設定し、かつ開始番号を調整することです。
しかし、パワーポイントの標準設定では「マイナス設定」ができないため、完全に自動で「3枚目を1にする」のは難しいのが現状です。
一つの解決策として、最初の2枚を別のファイルに分ける、あるいは「非表示スライド」機能を活用して印刷時のみ調整するなどの方法が考えられます。
また、少し力技にはなりますが、最初の2枚の番号部分を目立たない色の図形で覆い隠し、3枚目以降の番号をテキストボックスで上書きするという手段もあります。
もちろん、これは自動化とは言えませんが、どうしてもその形式が必要な場合の最終手段として知っておくと良いかもしれません。
本来は、スライド全体の構成を見直し、番号の振り方をシンプルにするのが一番の解決策かもしれません。
パワーポイントのページ番号を自動で修正するテクニック
ページ番号を設定したはずなのに、なぜか表示されなかったり、数字が進まなかったりすることはありませんか。
ここでは、パワーポイントのページ番号を自動で修正するテクニックや、トラブルの原因について解説していきます。
設定自体は正しく行っているつもりでも、スライドマスター側の設定やレイアウトの影響で、意図した通りにならないことは意外と多いものです。
そんな時に焦らず対応できるよう、よくある原因と対処法を知っておくことは重要です。
順に見ていきましょう。
・パワーポイントのページ番号が表示されない原因
・パワーポイントのページ番号が自動更新されない
・パワーポイントのページ番号を途中から振る
・スライドマスターで番号を管理する仕組み
・タイトルスライドに番号を表示しない設定
・パワポのページ番号を自動設定するまとめ
パワーポイントのページ番号が表示されない原因
「挿入」タブから設定をしたはずなのに、スライド上に番号が出てこないというトラブルはよく聞かれます。
パワーポイントのページ番号が表示されない原因として、最も可能性が高いのは、スライドマスター側で番号のプレースホルダーが削除されているケースです。
過去に誰かが編集したテンプレートを使用している場合、デザインの都合で番号を表示するボックス自体が消されていることがあります。
これを確認するには、スライドマスター画面を開き、「マスターのレイアウト」設定をチェックする必要があります。
ここで「スライド番号」のチェックが外れていると、いくら通常の編集画面で操作しても番号は表示されません。
また、もう一つの原因として考えられるのが、文字色が背景色と同じになっていることです。
例えば、白い背景のスライドに白い文字で番号が設定されていると、当然ながら目には見えません。
この場合は、スライドマスターで番号の色を変更することで解決できます。
他にも、画像や図形が番号の上に重なってしまっている可能性もあります。
「オブジェクトの選択と表示」機能などを使い、重なり順を確認してみるのも良いでしょう。
表示されない時は、まずスライドマスターを確認する癖をつけると、解決が早くなるはずです。
パワーポイントのページ番号が自動更新されない
スライドを追加したり削除したりしたのに、番号が変わらないという現象に遭遇したことはないでしょうか。
パワーポイントのページ番号が自動更新されない場合、その番号が「自動設定された番号」ではなく「手動入力されたテキスト」である可能性が高いです。
誰かがスライドを作成する際に、自動機能を使わずに「1」「2」と直接入力してしまった場合、スライドの順序を変えても数字はそのまま残ります。
これを見分けるには、番号部分をクリックしてみることです。
もし数字がグレーの網掛けで表示されれば、それは自動更新されるフィールド（変数）ですが、普通の文字として選択できる場合は手動入力です。
修正するには、手動入力されたテキストボックスを削除し、改めて「挿入」タブから正しいスライド番号を設定し直す必要があります。
また、ごく稀にですが、ファイル自体が破損している、あるいは互換モードで開いていることが原因で更新が止まることも考えられます。
ファイルを「名前を付けて保存」で新しく作り直すことで改善することもあります。
いずれにしても、自動更新されない番号はミスの温床になりかねないため、早めに修正することをおすすめします。
パワーポイントのページ番号を途中から振る
資料の章が変わるごとに、改めて1から番号を振りたいというケースもあるかもしれません。
パワーポイントのページ番号を途中から振るという操作は、実は標準機能だけでは少し複雑です。
Wordであれば「セクション区切り」を使って簡単に番号をリセットできますが、PowerPointの「セクション」機能はあくまでスライドの管理用であり、ページ番号のリセットとは連動していません。
そのため、一つのファイル内で途中で番号をリセットして「1」に戻すには、アドインを使用するか、ファイルを分割するという方法が一般的です。
もしファイルを分割したくないのであれば、手動でテキストボックスを配置して番号を振るというアナログな方法にならざるを得ないことが多いです。
ただ、最近のバージョンアップや機能追加によって、より柔軟な設定が可能になる可能性もゼロではありません。
現時点での解決策としては、「章ごとにファイルを分ける」のが最も管理しやすく、ミスも少ない方法と言えるでしょう。
一つのファイルにこだわりすぎず、運用でカバーする視点を持つことも大切です。
無理に一つの設定で完結させようとせず、柔軟な運用を検討してみてはいかがでしょうか。
スライドマスターで番号を管理する仕組み
ここまで何度か登場している「スライドマスター」ですが、この仕組みを理解しておくとトラブル対応力が格段に上がります。
スライドマスターで番号を管理する仕組みは、言わば「親スライド」と「子スライド」の関係に似ています。
スライドマスター（親）で設定したページ番号の位置やフォント、色は、それを適用している全てのスライド（子）に継承されます。
つまり、個々のスライドでいちいちフォントサイズを変えたり位置を直したりする必要がなくなり、統一感のある資料が作れるのです。
逆に言えば、特定のスライドだけで勝手な変更を加えてしまうと、後でマスター側で修正した際に反映されない、あるいは設定が競合しておかしくなることがあります。
ページ番号に限らず、ロゴの配置や見出しのデザインなども、基本的にはこのマスターで管理されています。
もしページ番号が意図しない動きをする場合は、個別のスライド設定ではなく、大元のマスター設定に何らかの矛盾が生じている可能性があります。
「表示」タブからいつでも確認できるので、設定に迷ったらまずはここを見るようにしましょう。
この仕組みを理解していれば、ページ番号のカスタマイズもより自由に行えるようになるはずです。
タイトルスライドに番号を表示しない設定
プレゼンテーションの顔となるタイトルスライドには、ページ番号を表示させたくないという要望がほとんどでしょう。
タイトルスライドに番号を表示しない設定は、非常に簡単かつ効果的です。
「挿入」タブの「ヘッダーとフッター」の設定画面にある「タイトルスライドに表示しない」というチェックボックスをオンにするだけです。
これを有効にすると、レイアウトが「タイトルスライド」に設定されているページだけ、自動的に番号が非表示になります。
ここで注意したいのは、表紙として使っているスライドのレイアウト設定が、正しく「タイトルスライド」になっているかどうかです。
もし「空白」や「タイトルのみ」といった別のレイアウトを使って表紙を作っていると、この機能は反応しません。
その場合は、スライドのレイアウトを変更するか、あるいは手動でそのページだけ番号を削除する必要があります。
また、この設定を行うと、2枚目のスライドには「2」と表示されるのがデフォルトです。
もし2枚目を「1」としたい場合は、前述した「開始番号を0にする」設定と組み合わせることを忘れないでください。
細かな設定ですが、こうした配慮が資料の完成度を高めることにつながります。
パワポのページ番号を自動設定するまとめ
今回はパワーポイントのページ番号を自動で設定する方法についてお伝えしました。
以下に、本記事の内容を要約します。
・ページ番号の自動設定は「挿入」タブの「ヘッダーとフッター」から行う
・手動入力は修正の手間がかかるため避けるべきである
・スライド番号にチェックを入れるだけで全ページに反映される
・位置の調整はスライドマスターを使うと一括で変更できる
・分母を表示するにはスライドマスターへの手動追記が有効である
・開始番号を調整するには「スライドのサイズ」設定を使用する
・開始番号を「0」に設定すると2枚目を「1」ページ目にできる
・右上に番号を置く場合もスライドマスターで位置を移動させる
・3枚目から番号を振るにはファイル分割などの工夫が必要である
・番号が表示されない時はスライドマスターのレイアウトを確認する
・文字色が背景色と同化していないか確認することも重要である
・自動更新されない番号は手動入力されたテキストの可能性がある
・番号のリセット機能は標準では備わっていないため運用でカバーする
・タイトルスライドへの表示有無はチェックボックス一つで切り替え可能である
・スライドのレイアウト設定が正しいかどうかも動作に影響する
パワーポイントのページ番号設定は、一見単純なようでいて、実は奥が深い機能の一つです。
トラブルが起きた時も、スライドマスターの仕組みさえ理解していれば、落ち着いて対処できるはずです。
ぜひ今回の内容を参考にして、見やすく分かりやすい資料作成に役立ててください。
これはCTAサンプルです。
内容を編集するか削除してください。
