パソコンスキルの証明として「ワードの資格」を取得しようと考えた時、多くの人が「ワード検定」という言葉を思い浮かべるかもしれません。しかし、履歴書に資格を記入しようとして、ふと「ワード検定の正式名称って何だろう?」と疑問に思ったことはありませんか。実は、「ワード検定」という名称の資格は存在せず、これは複数の異なる試験の総称として使われていることが多いのです。例えば、国際的に通用するMOSや、ビジネス実務に強い日商PC検定、高校生が多く受験する情報処理検定など、その種類は多岐にわたります。それぞれの資格には正式名称があり、履歴書にはそれを正確に記載する必要があります。この記事では、いわゆる「ワード検定」と呼ばれる資格の種類とそれぞれの正式名称、そしてMOSとの違いなどを分かりやすく調査し、解説していきます。
この記事を読むことで、以下の点が明らかになるでしょう。
・「ワード検定」と呼ばれる主要な資格の正式名称と主催団体
・国際資格であるMOSと他の国内検定との具体的な違い
・履歴書に資格を正しく記載するための書き方とポイント
・自身の目的に合ったワード関連資格を選ぶためのヒント
いわゆる「ワード検定」の正式名称とワード関連の資格の種類
ここでは、一般に「ワード検定」と呼ばれている資格にはどのような種類があるのか、そしてそれぞれの正式名称は何なのかを詳しく解説していきます。多くの方が混同しがちなMOSをはじめ、日商PC検定、CS検定、P検、さらには高校生向けの検定まで、主要な資格の特徴と位置づけを明らかにします。このセクションを読むことで、漠然としていた「ワード検定」の全体像がはっきりと見えてくるでしょう。順に見ていきましょう。
・「ワード検定」という名前の資格は存在しない?
・MOS(マイクロソフトオフィススペシャリスト)とは
・日商PC検定(文書作成)はビジネス実務の証明
・CS検定(ワープロ部門)の正式名称と特徴
・ICT全般の知識を問うP検という選択肢
・高校生向け?全商情報処理検定や全工の検定
「ワード検定」という名前の資格は存在しない?
就職や転職活動、スキルアップのためにパソコン資格の取得を考える際、「ワード検定」や「エクセル検定」という言葉をよく耳にします。しかし、厳密に言うと、「ワード検定」や「エクセル検定」という正式名称を持つ資格試験は存在しないのが実情です。これらの言葉は、文書作成ソフト「MicrosoftWord」や表計算ソフト「MicrosoftExcel」のスキルを証明する資格試験全般を指す、いわば「通称」や「総称」として使われています。
具体的には、マイクロソフト社が認定する国際資格「MOS(マイクロソフトオフィススペシャリスト)」や、日本商工会議所が主催する「日商PC検定(文書作成)」、中央職業能力開発協会が実施する「コンピュータサービス技能評価試験(ワープロ部門)」などが、この「ワード検定」という言葉でイメージされる代表的な資格です。そのため、履歴書に資格を記載する際には、「ワード検定3級」のように通称で書くのではなく、自分が取得した資格の正式名称を正確に書く必要があります。まずは、この「ワード検定は通称である」という点を理解することが、資格について正しく知るための第一歩といえるでしょう。
MOS(マイクロソフトオフィススペシャリスト)とは
「ワード検定」と聞いて、多くの人が真っ先に思い浮かべるのが、このMOSではないでしょうか。MOSとは「マイクロソフトオフィススペシャリスト(MicrosoftOfficeSpecialist)」の略称で、その名の通り、WordやExcelといったマイクロソフトオフィス製品の利用スキルを開発元であるマイクロソフト社自らが証明する国際資格です。
MOSの最大の特徴は、世界的に通用する資格であるという点です。世界各国の企業で認知されており、海外での就職や外資系企業へのアピールにも繋がる可能性があります。試験は、実際にパソコンを操作して課題をこなしていく実技試験形式で、WordやExcelの各機能をどれだけ正確に使いこなせるかが問われます。
Wordの試験には、一般的な利用スキルを証明する「スペシャリスト(アソシエイト)」レベルと、より高度な機能を使いこなす応用力を証明する「エキスパート」レベルの二種類があります。MOSには「3級」といった級制度はありませんが、スペシャリストレベルがそれに近い位置づけと考えることができるかもしれません。資格の正式名称は「マイクロソフトオフィススペシャリストWord(バージョン名)アソシエイト」や「マイクロソフトオフィススペシャリストWord(バージョン名)エキスパート」となります。
日商PC検定(文書作成)はビジネス実務の証明
日本商工会議所および各地の商工会議所が主催する「日商PC検定試験」も、「ワード検定」として広く認知されている資格の一つです。この検定は、単にソフトウェアの機能を知っているかどうかだけでなく、実際のビジネスシーンでいかに有効に活用できるか、という実務能力を重視している点に大きな特徴があります。
試験は「文書作成(Word)」「データ活用(Excel)」「プレゼン資料作成(PowerPoint)」の三つの分野に分かれており、Wordのスキルを証明したい場合は「文書作成」を受験することになります。試験内容は、Wordの操作スキルを問う実技問題に加え、ビジネスマナーやEメールの作成、情報倫理といった知識を問う問題も含まれており、より総合的なビジネススキルが評価されます。
レベルはBasic(基礎級)、3級、2級、1級の4段階に分かれています。そのため、「ワード3級の正式名称」を探している場合、この「日商PC検定試験(文書作成)3級」が該当する可能性も考えられます。企業実務における実践力をアピールしたい場合には、MOSと並んで非常に有効な資格といえるでしょう。
CS検定(ワープロ部門)の正式名称と特徴
CS検定もまた、「ワープロ検定」や「ワード検定」の通称で呼ばれることがある資格です。正式名称は「コンピュータサービス技能評価試験」といい、厚生労働省が後援し、中央職業能力開発協会(JAVADA)が実施しています。この検定は、企業実務におけるコンピュータの活用能力を客観的に評価することを目的に、長年にわたって実施されてきた歴史ある試験です。
試験部門は、ワープロソフトのスキルを問う「ワープロ部門」、表計算ソフトのスキルを問う「表計算部門」など、複数の部門に分かれています。Wordのスキルを証明したい場合は、「ワープロ部門」を受験することになります。試験はすべて実技試験で、与えられた課題を制限時間内にどれだけ正確に、かつ見栄え良く作成できるかという、実践的な能力が試されます。
レベルは3級、2級、1級の3段階に設定されており、3級は基本的な文書作成能力、2級はビジネス文書の応用能力、1級は高度な編集機能やレイアウト能力が問われます。履歴書に記載する際のワープロ検定の正式名称としては、「コンピュータサービス技能評価試験ワープロ部門〇級」と書くのが正確です。
ICT全般の知識を問うP検という選択肢
P検もまた、パソコンスキルを証明する検定として知られていますが、その内容はWordやExcelといった単体のアプリケーションソフトの操作能力だけにとどまりません。P検の正式名称は「P検-ICTプロフィシエンシー検定試験」といい、プロフィシエンシー(Proficiency)、つまり「習熟度」を測ることを目的としています。
この検定の大きな特徴は、WordやExcel、PowerPointといったアプリケーションの利用スキルに加え、コンピュータの知識、ネットワーク、情報セキュリティ、情報倫理といったICT(情報通信技術)に関する幅広い知識を総合的に問われる点です。タイピングスキルも評価の対象となります。
レベルは5級、4級、3級、準2級、2級、1級と細かく分かれており、自分のスキルレベルに合わせて受験することが可能です。例えば、P検3級では、一般的なオフィスソフトの基本操作に加え、情報セキュリティの基礎知識などが求められます。単に「Wordが使える」というだけでなく、IT社会で活動するための基礎知識をバランスよく身につけていることをアピールしたい場合には、非常に有効な資格といえるでしょう。
高校生向け?全商情報処理検定や全工の検定
主に高校生、特に商業高校や工業高校の生徒が在学中に取得を目指す資格として、全国商業高等学校協会(全商)や全国工業高等学校長協会(全工)が主催する検定があります。これらもまた、「ワード検定の正式名称を高校で」と探している方にとっては重要な選択肢となります。
全商が主催する検定の中には「情報処理検定試験」があり、その中の「ビジネス情報部門」では、WordやExcelなどを使ったビジネス文書の作成能力やデータ処理能力が問われます。また、「ビジネス文書実務検定試験」は、ビジネス文書作成の速度と正確性を重視した内容となっています。これらの検定の正式名称を履歴書に書く場合は、「全国商業高等学校協会主催情報処理検定試験ビジネス情報部門〇級」のように、主催団体名と正式な検定名を記載します。
これらの検定は、大学の推薦入試や就職活動において、高校時代の学習成果をアピールする上で非常に有効な資格となります。一般の社会人が受験する機会は少ないかもしれませんが、PCスキルの基礎を固めるという点では、他の検定と同様に価値のあるものといえるでしょう。
ワード検定の正式名称を理解し履歴書やスキルアップに活かす
いわゆる「ワード検定」に様々な種類があることを理解した上で、次に、それらの知識をどのように履歴書作成や自身のスキルアップに活かしていくかを考えていきましょう。ここでは、代表的な資格であるMOSと他の検定との違いを明確にし、履歴書への正しい書き方を具体的に解説します。また、「ワード3級」や「文書デザイン検定」といった、特定のニーズに応える情報も掘り下げていきます。
・MOSと他の検定の決定的な違いとは何か
・履歴書への正しい資格の書き方のポイント
・ワープロ検定やエクセル検定の正式名称と履歴書
・いわゆる「ワード3級」の正式名称とは
・文書デザイン検定の正式名称と試験内容
・ワード検定の正式名称や資格の種類に関するまとめ
MOSと他の検定の決定的な違いとは何か
「ワードの資格」を取得しようと考えた時、最も大きな選択肢となるのがMOSと、日商PC検定やCS検定といった国内の検定です。これらはどちらもWordのスキルを証明するものですが、その目的や評価の視点には決定的な違いがあるといえます。
MOSの最大の強みは、マイクロソフト社が自ら認定する「国際資格」である点です。試験内容は、Wordの機能をどれだけ知っていて、正確に操作できるかという「機能知識」の証明に重きを置いています。そのため、「Wordのこの機能が使えます」ということを客観的にアピールするには最適です。
一方、日商PC検定やCS検定などの国内検定は、「ビジネス実務能力」の証明に重点を置いています。単に機能を知っているだけでなく、その機能をどう活用して、ビジネスシーンで求められる文書を効率的かつ適切に作成できるか、という応用力が問われます。知識問題が含まれることも多く、より実践的なスキルをアピールしたい場合に適しているといえるでしょう。
どちらが優れているということではなく、自分の目的によって選ぶべき資格が異なると考えられます。世界標準のスキルを証明したいならMOS、日本企業での実践力を示したいなら国内検定、というように、キャリアプランに合わせて選択するのが賢明かもしれません。
履歴書への正しい資格の書き方のポイント
取得した資格を就職や転職活動で有効にアピールするためには、履歴書の資格欄に正確に記載することが不可欠です。ワード資格の履歴書への書き方には、いくつかの重要なポイントがあります。
まず第一に、資格の名称は通称ではなく、必ず「正式名称」で書くことです。例えば、「MOS」ではなく「マイクロソフトオフィススペシャリスト」、「ワード検定」ではなく「日商PC検定試験(文書作成)」のように記載します。
第二に、主催団体名を併記すると、より丁寧な印象になります。例えば、「日本商工会議所主催日商PC検定試験(文書作成)2級」のように書くと、採用担当者がどのような資格なのかを正確に把握しやすくなります。
第三に、取得した年月を正確に記載します。合格証書などに記載されている取得年月日を確認しましょう。
最後に、取得した資格は基本的に取得した順に上から書いていきます。ただし、アピールしたい職種に特に関連性の高い資格があれば、それを先に書くという方法も考えられます。これらのポイントを押さえることで、せっかく取得した資格の価値を最大限に伝えることができるでしょう。
ワープロ検定やエクセル検定の正式名称と履歴書
前述の通り、「ワープロ検定」や「エクセル検定」もまた通称です。これらのスキルを証明する資格を取得した場合も、履歴書には正式名称で記載する必要があります。
例えば、一般的に「ワープロ検定」と呼ばれることが多い「コンピュータサービス技能評価試験」の場合、履歴書には以下のように記載するのが適切と考えられます。
(例)令和〇年〇月コンピュータサービス技能評価試験ワープロ部門2級合格
また、「エクセル検定」の代表格である日商PC検定やMOSの場合は、以下のようになります。
(例)令和〇年〇月日本商工会議所PC検定試験(データ活用)2級合格
(例)令和〇年〇月マイクロソフトオフィススペシャリストExcel2019エキスパート合格
このように、「ワープロ」という言葉は「文書作成」や「ワープロ部門」に、「エクセル」という言葉は「データ活用」や「表計算部門」に対応することが多いです。自分が受験した試験の正式名称と部門名を合格証などで正確に確認し、省略せずに記載することが、採用担当者に対して誠実な姿勢を示す上で重要といえるでしょう。
いわゆる「ワード3級」の正式名称とは
「Word検定3級を取得した」という場合、その「3級」がどの検定試験の3級を指すのかによって、履歴書に書くべき正式名称は異なります。繰り返しになりますが、国際資格であるMOSには「〇級」というレベル分けは存在しません。
もし、あなたが取得した「ワード3級」が日本商工会議所の検定であれば、その正式名称は「日商PC検定試験(文書作成)3級」となります。このレベルは、企業実務において上司の指示に従って正確なビジネス文書を作成できる能力を証明するものとされています。
また、中央職業能力開発協会のCS検定であれば、「コンピュータサービス技能評価試験ワープロ部門3級」が正式名称です。こちらは、ワープロソフトの基本的な機能を活用して、指示通りの文書作成や修正が迅速に行えるレベルを示します。
P検の場合は、「P検-ICTプロフィシエンシー検定試験3級」となりますが、これはWordの操作スキルだけでなく、ICTに関する幅広い知識を含んだ評価となります。
このように、「ワード3級」と一括りにせず、自分がどの団体のどの試験に合格したのかを明確にすることが、スキルを正しく伝えるための鍵となります。
文書デザイン検定の正式名称と試験内容
Wordを使った文書作成スキルの中でも、特に「見栄え」や「デザイン性」に特化した能力を証明したい場合に注目されるのが「文書デザイン検定」です。この資格は、日本情報処理検定協会(日検)が主催するもので、正式名称は「文書デザイン検定試験」です。
この検定試験は、単に文字を入力したり、基本的な書式設定を行ったりするだけでなく、写真や図形、イラストなどを効果的に配置し、読みやすく、かつ訴求力のある文書を作成する能力を問います。DTP(デスクトップパブリッシング)やグラフィックデザインの入り口としても位置づけられるかもしれません。
試験では、用意された素材を使って、チラシやパンフレット、社内報といった、デザイン性が求められる課題を制限時間内に作成します。レベルは1級から4級まであり、上位級になるほど、より高度なレイアウト技術やデザインセンスが要求されます。
企業の広報部門や、企画書・提案書の作成が多い職種、あるいはデザイン関連の仕事を目指す人にとって、通常の文書作成スキルに加えて、この文書デザイン検定の資格を持っていることは、大きなアピールポイントになる可能性があるでしょう。
ワード検定の正式名称や資格の種類に関するまとめ
今回は、通称で呼ばれがちな「ワード検定」の正式名称や、MOSをはじめとする様々な資格の種類についてお伝えしました。以下に、本記事の内容を要約します。
・「ワード検定」は通称であり、正式名称の資格ではない
・代表的な資格にMOS、日商PC検定、CS検定、P検などがある
・MOSの正式名称は「マイクロソフトオフィススペシャリスト」で国際資格
・日商PC検定はビジネス実務能力を重視する国内資格
・CS検定の正式名称は「コンピュータサービス技能評価試験」
・履歴書には通称ではなく正式名称、主催団体、取得年月日を記載する
・「ワープロ検定」はCS検定のワープロ部門などが該当する
・「エクセル検定」は日商PC検定のデータ活用などが該当する
・いわゆる「ワード3級」は日商PC検定やCS検定の3級を指すことが多い
・MOSには「級」制度はなく、スペシャリストとエキスパートのレベルがある
・P検はICT全般の知識を問う総合的な検定
・全商や全工の検定は主に高校生が対象
・文書デザイン検定は、よりデザイン性を重視したスキルを証明する
・資格選びは、国際標準か国内実務かなど、目的で選ぶのが良い
・正確な資格名の記載が、自身のスキルを正しく伝える第一歩
いかがでしたでしょうか。多種多様なパソコン資格の中から、ご自身の目的やキャリアプランに最も合ったものを選び、スキルアップや就職・転職活動に活かしていくことが重要です。この記事が、そのための正確な知識を得る一助となれば幸いです。
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