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エクセルの棒グラフを線でつなぐ方法って?分かりやすい見せ方を解説!

エクセルでグラフを作成する際、棒グラフは非常に一般的に使用されます。しかし、単なる棒グラフではデータの推移や項目間の関連性が伝わりにくい場合があります。そんなとき、エクセルの棒グラフを線でつなぐテクニックが役立つかもしれません。例えば、複数の棒グラフの特定の点を線で結んだり、エクセルの棒グラフで差を表示したりすることで、データはより視覚的に、そして分かりやすくなります。この記事では、エクセルで棒グラフに線を追加する具体的な方法や、エクセルグラフの区分線の使い方、棒グラフで区分線ができない場合の対処法など、データをより分かりやすく見せるためのテクニックについて考察します。

・エクセルの棒グラフを線でつなぐ具体的な手順

・区分線を活用してグラフを分かりやすくする方法

・グラフの差を視覚的に表示するテクニック

・線が引けない場合の一般的な原因と対処法

エクセルの棒グラフを線でつなぐ基本的なアプローチ

ここではエクセルの棒グラフを線でつなぐための基本的な考え方と、関連する機能について説明していきます。主な方法として複合グラフの利用や区分線の設定が考えられます。順に見ていきましょう。

・複合グラフで棒と線を組み合わせる

・系列の線(区分線)とは何か

・エクセル2010で線をつなぐには

・グラフに区分線を設定する手順

・棒グラフで区分線ができない理由

・棒グラフの区分線を一部だけ消す方法

複合グラフで棒と線を組み合わせる

エクセルの棒グラフに線を追加する最も一般的で強力な方法は、「複合グラフ」機能を利用することかもしれません。これは、一つのグラフエリア内に、棒グラフと折れ線グラフなど、異なる種類のグラフを共存させる機能です。例えば、月ごとの「売上(棒グラフ)」と「客単価(折れ線グラフ)」を同時に表示したい場合に適しています。この方法であれば、棒グラフのデータとは別に、線で表示したいデータ系列を用意し、その系列だけをグラフの種類で「折れ線」に指定することで、結果的に棒グラフと線グラフが組み合わさったグラフを作成できる可能性があります。

具体的には、グラフ化したいデータ範囲を選択した後、「挿入」タブから「複合グラフ」を選択し、「集合縦棒-折れ線」などを選びます。あるいは、一度通常の棒グラフを作成した後、線に変更したいデータ系列(特定の色の棒)を右クリックし、「系列グラフの種類の変更」を選択する方法も考えられます。このダイアログボックスで、特定の系列だけを「折れ線」に変更することで、目的の見た目を実現できる場合があります。

系列の線(区分線)とは何か

エクセルのグラフ機能には「系列の線(SeriesLines)」というものがあります。これはサブキーワードにある「区分線」と呼ばれることも多い機能です。この機能は、主に「積み上げ縦棒グラフ」や「積み上げ横棒グラフ」、「積み上げ面グラフ」などで使用されます。

その役割は、積み上げられた各要素の間を線で結び、カテゴリー間で各要素がどのように推移しているか、またはつながっているかを視覚的に示すことです。例えば、2つの積み上げ棒グラフがある場合、それぞれの棒グラフの同じ系列(例:両方のグラフの「第2四半期」のデータ部分)を線で結び、その量の変化を分かりやすくするために使われることがあります。

ただし、これは「集合縦棒グラフ(横並びの棒グラフ)」の棒と棒を直接つなぐ機能とは少し異なります。あくまで「積み上げグラフ」の構成要素間を接続するための機能として設計されている点に注意が必要かもしれません。エクセルグラフで区分線を探している方は、まずご自身のグラフが積み上げグラフであるかを確認すると良いでしょう。

エクセル2010で線をつなぐには

エクセルの棒グラフを線でつなぐ2010のバージョンでの操作についてですが、基本的な考え方は新しいバージョンと共通しています。Excel2013以降では「複合グラフ」が最初からメニューとして用意されていますが、Excel2010では少し手動での操作が必要になる場合があります。

Excel2010で複合グラフを作成する手順としては、まず全てのデータを含む集合縦棒グラフなどを一度作成します。次に、グラフ上で線グラフに変更したいデータ系列(特定の棒)だけを選択し、右クリックします。表示されるメニューから「系列グラフの種類の変更」を選びます。すると、ダイアログボックスが表示されますので、そのデータ系列の種類を「折れ線グラフ」に変更します。

これにより、グラフの一部だけが折れ線グラフとなり、他のデータは棒グラフのまま残るため、複合グラフが完成します。Excel2010であっても、この手順を踏むことで棒グラフと線を組み合わせた表現が可能になるはずです。

グラフに区分線を設定する手順

前述の通り、エクセルグラフの区分線(系列の線)は、主に積み上げグラフで使用されます。ここで、積み上げ縦棒グラフに区分線を設定する具体的な手順の一例を見てみましょう。

まず、積み上げ縦棒グラフを作成します。グラフがアクティブな状態(グラフが選択されている状態)で、リボンの「グラフのデザイン」(または「デザイン」)タブに切り替えます。次に、「グラフ要素を追加」というボタンをクリックします。ドロップダウンメニューが表示されるので、その中から「線」にカーソルを合わせます。すると、サブメニューとして「系列の線」という選択肢が表示される場合があります。

これをクリックすると、積み上げられたグラフの各データ要素間に自動的に線が引かれます。この線は、隣り合う積み上げグラフの境界同士を結び、データの流れや内訳の変化を視覚的に追跡しやすくする助けとなるかもしれません。もしこのオプションが表示されない場合は、選択しているグラフの種類が区分線に対応していない可能性があります。

棒グラフで区分線ができない理由

棒グラフで区分線ができない、という状況に直面することがあります。この最も一般的な理由は、選択しているグラフの種類が区分線(系列の線)機能に対応していないことであると考えられます。

前述の通り、区分線は主に「積み上げ縦棒グラフ」や「積み上げ横棒グラフ」など、複数のデータ系列が積み重なっているグラフ形式のために設計されています。通常の「集合縦棒グラフ」(データが横に並ぶタイプ)では、各棒は独立しており、積み重なる要素間の境界を線で結ぶという概念自体が当てはまりません。

そのため、集合縦棒グラフを選択している状態では、「グラフ要素を追加」メニュー内に「系列の線」という項目が表示されないか、表示されてもグレーアウトして選択できない状態になることが一般的です。もし集合棒グラフの棒同士を線でつなぎたいのであれば、区分線機能ではなく、H3-1で触れた「複合グラフ」の機能(一部の系列を折れ線グラフに変更する手法)を試すのが適切なアプローチとなるでしょう。

棒グラフの区分線を一部だけ消す方法

エクセルの棒グラフで区分線を一部だけ消す、あるいはエクセルの棒グラフの区分線を一部操作したいというニーズもあるかもしれません。しかし、区分線(系列の線)機能は、通常、グラフ全体のオプションとして適用されます。つまり、一度「系列の線」を追加すると、対応する全てのデータ系列間に線が引かれてしまうのが基本です。

特定の線だけを直接クリックして削除する、という直感的な操作はサポートされていない場合が多いです。

どうしても一部の線だけを非表示にしたい場合、いくつか回避策が考えられます。一つは、非常に手間がかかりますが、グラフの上に「線なし」にした白い「図形」を重ねて、見せたくない区分線だけを物理的に隠すという方法です。

もう一つの方法は、H3-9で紹介するような、データ構成を工夫する方法です。しかし、積み上げグラフの区分線を部分的に制御するのは難易度が高いと言えるでしょう。多くの場合、区分線は全て表示するか、全て非表示にするかのどちらかを選択することになるかもしれません。

エクセルの棒グラフで線をつなぐ応用テクニックと差の表示

ここではエクセルの棒グラフを線でつなぐ方法について、さらに応用的なテクニックや、データの差を視覚的に示す方法を説明していきます。誤差範囲の活用や、手動で線を引くアプローチも考えられます。順に見ていきましょう。

・棒グラフの差を表示する「誤差範囲」

・グラフ内の特定箇所に線を引く方法

・区分線が一部だけ表示される設定

・データの推移を示す傾向線の追加

・複合グラフの第2軸の活用と注意点

・エクセルの棒グラフを線でつなぐ工夫のまとめ

棒グラフの差を表示する「誤差範囲」

エクセルの棒グラフで差を表示したい場合、「誤差範囲(エラーバー)」の機能を応用する方法が考えられます。誤差範囲は本来、統計的な誤差や標準偏差を示すために使われますが、設定をカスタマイズすることで、二つのデータ間の差を線で示すような視覚表現に応用できる可能性があります。

例えば、計画値と実績値の2本の棒グラフがある場合、実績値の棒グラフに「誤差範囲」を追加します。そして、誤差範囲の設定で「ユーザー設定」を選び、「正の誤差」または「負の誤差」のどちらかに、計画値と実績値の「差」を計算したセル範囲を指定します。

これにより、実績値の棒の先端から、計画値のレベルまで伸びる(あるいは縮む)線を表示させることができ、その「差」がどれだけあるかを視覚的に強調できるかもしれません。これは直接的に棒同士を線でつなぐのとは異なりますが、データの差異を明確にする有効な手段の一つと言えるでしょう。

グラフ内の特定箇所に線を引く方法

エクセルの棒グラフに線を引く方法として、単純に「図形」機能を使って手動で線を描画するアプローチもあります。「挿入」タブから「図形」を選び、「線」を選択して、グラフエリア内の任意の場所にドラッグ&ドロップで線を引きます。

この方法の利点は、データの構造に関係なく、グラフ上のどの位置からどの位置へも自由に線を引けることです。例えば、特定の2本の棒の頂点を強調するために、それらを結ぶ直線を引くことができます。

ただし、この方法には大きな注意点があります。それは、描画した線はグラフのデータと一切連動していない、という点です。もしグラフの元データが変更されたり、グラフのサイズや軸のスケールが変わったりしても、引いた線は自動的に追随しません。線が元の位置に残り、意図しない場所を指し示してしまう可能性があります。そのため、データが固定されている最終的なレポートなどでの一時的な強調表現として使うのが無難かもしれません。

区分線が一部だけ表示される設定

棒グラフの区分線を一部だけ、あるいは、棒グラフの区分線を一部のデータだけに適用したいという、より高度な要求について考えてみます。これは、H3-6の「一部を消す」とは異なり、「最初から一部だけ表示する」アプローチです。

この場合、区分線(系列の線)機能ではなく、複合グラフの折れ線グラフ機能とデータ構成の工夫で対応するのが現実的かもしれません。

例えば、5つのカテゴリーの棒グラフのうち、2番目と3番目の棒の頂点だけを線でつなぎたいとします。この場合、棒グラフのデータとは別に、「線グラフ用」のデータ系列を新たに用意します。その系列のデータとして、2番目と3番目の位置には棒グラフのデータと同じ値を入力し、それ以外の1番目、4番目、5番目の位置には「#N/A」というエラー値を入力します。

この「線グラフ用」の系列を、複合グラフで折れ線グラフとして追加します。エクセルは「#N/A」の箇所をプロットせず、線を途切れさせるため、結果として2番目と3番目の棒の頂点だけが線で結ばれたグラフが作成できる可能性があります。

データの推移を示す傾向線の追加

棒グラフに「線を追加する」という目的が、データ全体の傾向(トレンド)を視覚化することである場合、「近似曲線(傾向線)」機能が非常に有効です。これは、棒グラフのデータポイント(各棒の頂点)を分析し、そのデータが全体として増加傾向にあるのか、減少傾向にあるのかを示す一本の線を自動的に描画する機能です。

この線は、棒グラフのデータ系列を選択した状態で、「グラフ要素を追加」から「近似曲線」を選び、「線形近似」や「多項式近似」などを選択することで簡単に追加できます。

ただし、この機能が意味を持つのは、横軸が時間(月、年など)や順序(1回目、2回目など)といった連続性・順序性のあるデータの場合です。横軸が「りんご」「みかん」「バナナ」といった独立したカテゴリーである場合、それらの間に傾向線を引くことには統計的な意味がない場合が多いため、使用には注意が必要です。データの傾向を大まかに把握したい場合には便利な選択肢となるでしょう。

複合グラフの第2軸の活用と注意点

エクセルの棒グラフを線でつなぐために複合グラフを使用する際、特に「第2軸(2軸)」の活用が重要なポイントになることがあります。これは、棒グラフで示すデータ(例:売上金額で単位が「万円」)と、折れ線グラフで示すデータ(例:利益率で単位が「%」)の数値のスケール(尺度)が大きく異なる場合に有効です。

もし両方を同じ主軸(左側のY軸)で表示しようとすると、利益率(例:5%=0.05)は、売上金額(例:1,000万円)に比べて値が小さすぎるため、グラフの底辺に張り付いたように見えてしまい、変化が全く読み取れなくなってしまいます。

そこで、折れ線グラフ(利益率)に対して「第2軸」を指定します。これにより、グラフの右側に折れ線グラフ専用のY軸(%表示の軸)が作成され、棒グラフと折れ線グラフの両方が適切なスケールで見やすく表示されるようになります。ただし、2つの軸が存在することで、グラフの読み取りが複雑になり、誤解を招く可能性もあるため、軸のタイトルを明記するなどの配慮が求められるでしょう。

エクセルの棒グラフを線でつなぐ工夫のまとめ

今回はエクセルの棒グラフを線でつなぐ方法についてお伝えしました。以下に、本記事の内容を要約します。

・エクセルの棒グラフを線でつなぐ最も一般的な方法は複合グラフである

・複合グラフでは棒グラフと折れ線グラフを一つのグラフに共存させる

・複合グラフ作成時、第2軸の使用はデータの尺度違いに有効である

・ただし第2軸の使用はグラフの誤読を招く可能性もあるため注意が必要

・「区分線」(系列の線)は主に積み上げ棒グラフで使用される機能である

・区分線は積み上げグラフの各要素間を線で結び、構成の変化を示す

・通常の集合棒グラフでは「区分線」のオプションは利用できないことが多い

・棒グラフで区分線ができない場合、グラフの種類が対応していない可能性が高い

・エクセル2010で線をつなぐには、系列ごとにグラフ種類を手動変更する

・棒グラフの差を表示するには「誤差範囲」機能の応用が考えられる

・グラフ上に手動で線を引くには「図形」の「線」ツールが使える

・ただし図形で引いた線はデータと連動せず、グラフ更新時にずれる

・一部の棒だけを線でつなぎたい場合、折れ線グラフのデータに#N/Aを含めると線を途切れさせられる

・棒グラフの区分線を一部だけ消すのは難しく、図形を重ねるなどの回避策が考えられる

・データの全体的な傾向を見るには「近似曲線」(傾向線)の追加も一つの方法である

エクセルのグラフ作成は、少しの工夫で見やすさが大きく変わる可能性があります。今回ご紹介した方法が、あなたのデータ視覚化のヒントになれば幸いです。目的に合わせて、最適なグラフの表現方法を選択してみてください。

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