プレゼンテーション資料の作成において、パワーポイント(パワポ)は非常に強力なツールです。しかし、スライドの枚数が増えてくると、その管理が複雑になることも少なくありません。特にページ番号の扱いは、多くの人が悩むポイントかもしれません。パワポでページ数を自動で振る方法を知っていれば、資料の構成が把握しやすくなり、閲覧者にとっても親切な資料に仕上がるでしょう。例えば、パワポのページ数を自動で右上や真ん中に配置したい、あるいはパワーポイントのページ番号の分母(総スライド数)も一緒に表示させたい、といった具体的な要望が出てくることも考えられます。しかし、設定したはずのパワーポイントのページ番号が表示されない、パワーポイントのスライドで番号が連番にならないといったトラブルに遭遇することもあるかもしれません。また、表紙や目次のスライドを除いて、本文からパワーポイントのページ番号を1から開始したい、パワーポイントのページ番号を右上に統一したいがどうすればよいか、といった疑問も生じがちです。これらの設定の多くは、パワポのページ数を自動で管理するためのスライドマスター機能と深く関連しています。この記事では、パワーポイントでページ数を自動的に挿入・管理するための基本的なテクニックから、よくある問題の解決策までを幅広く解説していきます。
この記事を読むことで、以下の点が理解できるでしょう。
・パワポでページ数を自動挿入する基本手順
・スライドマスターを活用した効率的なページ番号管理
・ページ番号が表示されない時の確認ポイント
・特定のページから番号を開始する方法
パワポでページ数を自動設定する基本と応用
ここでは、パワーポイントでページ数を自動的に設定する基本的な方法と、それを応用するテクニックについて説明していきます。スライドマスターの活用から、ページ番号の位置や書式の変更、総スライド数の表示方法まで、効率的なスライド管理に役立つ可能性のある情報を順に見ていきましょう。
スライドマスターでページ数を設定する
ページ番号を挿入する基本的な手順
ページ番号の書式や位置を変更する
パワポのページ数を自動で右上に配置
パワポのページ数を自動で真ん中に配置
パワーポイントのページ番号に分母(総数)を表示
スライドマスターでページ数を設定する
パワーポイントでページ番号を一括管理する上で、パワポのページ数を自動で設定するスライドマスター機能の理解は欠かせない要素と言えるでしょう。スライドマスターは、プレゼンテーション全体のスライドレイアウトや書式(フォント、色、背景、プレースホルダーなど)を統一的に管理するための設計図のようなものです。ここでページ番号の設定を行えば、新しく追加するスライドも含め、原則としてすべてのスライドに同じ設定が自動的に適用されるため、非常に効率的です。
スライドマスターでページ番号を設定する一般的な手順としては、まず「表示」タブから「スライドマスター」を選択します。左側に表示されるスライドの一覧のうち、一番上にある最も大きなスライド(スライドマスター)を選択することが重要です。この親マスターに変更を加えると、その下に連なるすべてのレイアウトマスターに影響します。
次に、スライドマスター上にページ番号用のプレースホルダーが存在するか確認します。通常、「<#>」という記号で示されているはずです。もし存在しない場合や、意図的に削除してしまった場合は、「スライドマスター」タブの中にある「マスターのレイアウト」をクリックし、「スライド番号」のチェックボックスをオンにすることで再表示できる可能性があります。
このプレースホルダーの位置やフォントサイズ、色などを調整することで、全スライドのページ番号のデザインを一度に変更できます。例えば、パワーポイントのページ番号を右上にしたい場合は、この「<#>」のプレースホルダーをスライドマスターの右上に移動させればよい、ということになります。
設定が完了したら、「スライドマスター」タブの「マスター表示を閉じる」をクリックして通常の編集画面に戻ります。このスライドマスターを活用する方法は、特にスライド枚数が多い場合に、デザインの統一性を保ちつつ、ページ番号の挿入・管理の手間を大幅に削減するのに役立つと考えられます。
ページ番号を挿入する基本的な手順
スライドマスターを使わずに、あるいはスライドマスターの設定を補完する形で、パワポでページ数を自動的に挿入する基本的な手順も存在します。これは、スライドマスターが少し複雑だと感じる場合や、特定のスライドにのみ設定を適用したい場合に有効な方法かもしれません。
最も一般的な方法は、「挿入」タブを利用するものです。パワーポイントのリボンから「挿入」タブを選択し、「テキスト」グループの中にある「スライド番号」(または「ヘッダーとフッター」)をクリックします。すると、「ヘッダーとフッター」というダイアログボックスが表示されるでしょう。
このダイアログボックスの中の「スライド」タブに注目してください。「スライドに含める」というセクションがあり、その中に「スライド番号」というチェックボックスがあります。このチェックボックスをオンにすると、ページ番号が挿入されるようになります。
ここで重要な選択肢が二つあります。「すべてに適用」と「適用」です。「すべてに適用」をクリックすると、プレゼンテーション内の(スライドマスターの設定に準じた)すべてのスライドにページ番号が挿入されます。一方、「適用」をクリックした場合は、現在選択しているスライドにのみページ番号が挿入されることになります。
また、このダイアログボックスには「タイトルスライドに表示しない」というチェックボックスも用意されています。多くのプレゼンテーションでは、最初の表紙スライドにはページ番号を表示したくない場合があります。その場合は、このチェックボックスをオンにしておくことで、タイトルスライド(通常はタイトルレイアウトが適用されたスライド)のページ番号を簡単に非表示に設定できる可能性があります。
この「挿入」タブからの手順は、スライドマスターの設定と連動しています。スライドマスター側でページ番号のプレースホルダーがオフになっていると、ここで「スライド番号」をオンにしてもパワーポイントのページ番号が表示されない原因になることがあるため、注意が必要かもしれません。
ページ番号の書式や位置を変更する
パワポでページ数を自動で挿入した後、そのデザイン(フォント、サイズ、色)や表示位置がプレゼンテーション全体のテーマと合わない場合もあるでしょう。これらの書式や位置を変更する方法は、主に二つ考えられます。
一つ目は、前述の「スライドマスター」機能を利用する方法です。これは、プレゼンテーション全体のページ番号のスタイルを統一したい場合に最も推奨される方法です。「表示」タブから「スライドマスター」を開き、一番上の親マスター上にあるページ番号のプレースホルダー(「<#>」)を選択します。そして、「ホーム」タブから通常のテキスト編集と同様に、フォントの種類、サイズ、太字、色などを自由に変更します。位置を変更したい場合は、プレースホルダーの枠線をドラッグして、スライド上の任意の位置(例えばパワポのページ数を自動で右上や真ん中)に移動させます。この変更は、スライドマスターを閉じると、そのマスターを使用しているすべてのスライドに自動的に反映されるはずです。
二つ目は、特定のスライドレイアウト、あるいは個々のスライドで直接編集する方法です。もし、特定のレイアウト(例えば「タイトルとコンテンツ」レイアウトだけ)のページ番号スタイルを変更したい場合は、スライドマスター表示の状態で、親マスターではなく、該当するレイアウトマスターを選択して同様の編集を行います。
ただし、注意点として、個々のスライド(標準ビュー)でページ番号のテキストボックスを直接選択し、書式を変更することも可能ですが、これはあまり推奨されないかもしれません。なぜなら、その変更はそのスライドにしか適用されず、後からスライドマスターで全体のスタイルを変更しようとした際に、個別に変更したスライドだけが反映されない、といった混乱を招く可能性があるからです。全体の統一性を保つためには、できるだけスライドマスターでの編集を心掛けるのが賢明と言えるでしょう。
パワポのページ数を自動で右上に配置
プレゼンテーション資料において、ページ番号の配置場所は、見やすさやデザインの観点から重要です。特に、パワポのページ数を自動で右上に配置したいという需要は少なくありません。これは、文書が右綴じ(横書き)の場合、視線の動きとして右上にページ番号があると確認しやすいと感じる人が多いためかもしれません。
この設定を行う最も効率的な方法は、やはり「スライドマスター」を利用することです。「表示」タブから「スライドマスター」を開き、左側の一覧から一番上の親マスター(または、特定のレイアウトマスター)を選択します。
スライドマスター上には、フッター領域のプレースホルダーがいくつか配置されていることが一般的です。その中に、ページ番号を示す「<#>」という記号が含まれたプレースホルダーがあるはずです。このプレースホルダー(テキストボックス)を見つけたら、それをマウスでドラッグして、スライドの右上の任意の位置に移動させます。
このとき、スライドの端ギリギリに配置するのではなく、印刷や表示の際に見切れないよう、少し内側に余白(マージン)を持たせると良いでしょう。また、位置の微調整には、矢印キーや、[Shift]キーを押しながらドラッグ(水平・垂直移動)する操作が役立つかもしれません。
位置を移動させた後、必要であれば「ホーム」タブでフォントサイズや色、配置(右揃えなど)も調整します。例えば、プレースホルダーのテキストボックス自体は右上に配置し、その中のテキストの配置を「右揃え」に設定すると、番号が1桁から2桁に増えた際にも、右端を基点としてきれいに揃うようになります。
設定が完了したら、「スライドマスター」タブから「マスター表示を閉じる」を選択します。これで、既存のスライドおよび今後追加されるスライドのページ番号が、指定した右上の位置に自動的に表示されるようになるはずです。もしパワーポイントのページ番号が表示されない場合は、「挿入」タブの「ヘッダーとフッター」で「スライド番号」がオンになっているか再確認する必要があるかもしれません。
パワポのページ数を自動で真ん中に配置
ページ番号の配置として、パワポのページ数を自動で真ん中(通常は下部中央)に設定したいケースも多く見られます。これは、書籍やレポートなどで一般的な配置であり、視覚的に安定感があるため、多くのテンプレートでデフォルトとして採用されている配置の一つです。
この設定を実現する手順も、基本的には「右上」に配置する場合と同様に、スライドマスター機能を利用するのが最も効率的です。
まず、「表示」タブをクリックし、「スライドマスター」を選択してスライドマスター表示に切り替えます。次に、左側のサムネイル一覧から、一番上にある親スライドマスターを選択します。
スライドマスターの下部には、通常、日付、フッターテキスト、そしてページ番号(「<#>」)のためのプレースホルダーが配置されています。デフォルトでページ番号のプレースホルダーが中央下部に配置されていることも多いですが、もし異なる位置にある場合や、位置を微調整したい場合は、この「<#>」のプレースホルダーをマウスで選択し、ドラッグして希望の中央下部の位置へ移動させます。
スライドの中央を正確に把握するためには、表示タブから「ガイド」や「ルーラー」を表示させると便利かもしれません。ガイドラインを利用して、スライドの水平方向の中心にプレースホルダーを配置することができます。
さらに、プレースホルダー内のテキストの配置も確認すると良いでしょう。「ホーム」タブの「段落」グループにある「中央揃え」ボタンをクリックして、テキストがプレースホルダー(テキストボックス)内で中央に配置されるように設定します。これにより、ページ番号が1桁でも2桁でも、常にスライドの中央を基準として表示されるようになります。
すべての調整が終わったら、「スライドマスター」タブの「マスター表示を閉じる」をクリックして、通常の編集画面に戻ります。この操作により、プレゼンテーション全体のページ番号が、指定した中央の位置に統一されることが期待できます。
パワーポイントのページ番号に分母(総数)を表示
プレゼンテーションの閲覧者が、今スライド全体のどのあたりを見ているのかを瞬時に把握できるように、パワーポイントのページ番号の分母、つまり総スライド数を併記したい場合があります(例:「5/20」のように)。これは、資料の全体像を掴む上で非常に役立つ情報となり得ます。
しかし、残念ながらパワーポイントの標準機能には、この「総スライド数」を自動的に取得して、ページ番号と組み合わせて「現在のページ/総ページ」という形式で自動更新する簡単な方法が用意されていないのが現状のようです。
そのため、もしこの形式を実現したい場合、いくつかの代替案を検討する必要があります。
一つの方法は、総スライド数を「手動で」入力することです。これは、スライドマスター機能を使って行います。まず、「表示」タブから「スライドマスター」を開き、親マスターを選択します。ページ番号のプレースホルダー(「<#>」)の近くに、新しくテキストボックスを挿入します(「挿入」タブ→「テキストボックス」)。そして、そのテキストボックスに「/(総スライド数)」、例えば「/20」のように手入力します。ページ番号(「<#>」)と、手入力したテキストボックス(「/20」)の位置をうまく調整して、「<#>/20」のように見えるように配置します。
この方法の最大の欠点は、スライドの総数が変更(追加・削除)された場合に、手動で入力した「/20」の部分を、すべてのスライドマスター(または関連するレイアウトマスター)で修正し直さなければならない点です。これは非常に手間がかかり、修正漏れのリスクも伴います。
もう一つのアプローチとして、マクロ(VBA)を使用して総スライド数を自動で取得し、フッターに挿入するという高度な方法も存在しますが、マクロの知識が必要となり、セキュリティ設定によっては実行できない場合もあるため、一般的な方法とは言えないかもしれません。
したがって、多くの場合、総スライド数の表示は必須でなければ省略するか、あるいはプレゼンテーションの最終段階でスライド数が確定してから、手動で入力する方法が現実的な選択肢となる可能性があります。
パワポのページ数で自動設定する際のトラブル対処法
ここでは、パワポでページ数を自動設定しようとした際に遭遇しがちな一般的なトラブルとその対処法について説明していきます。ページ番号が意図した通りに表示されない、連番にならない、あるいは特定のスライドでのみ調整したい、といった場合の解決のヒントとなる情報を順に見ていきましょう。
パワーポイントのページ番号が表示されない
パワーポイントのスライドで番号が連番にならない
パワーポイントのページ番号を1から開始したい
特定のスライドだけページ番号を非表示にする
レイアウトごとに異なるページ番号設定
パワポのページ数を自動で管理する方法のまとめ
パワーポイントのページ番号が表示されない
パワポでページ数を自動で設定したにもかかわらず、パワーポイントのページ番号が表示されないという問題は、非常によく遭遇するトラブルの一つです。この原因は一つではなく、複数の設定が関わっている可能性があります。
まず最初に確認すべきは、「挿入」タブの「ヘッダーとフッター」(または「スライド番号」)の設定です。ダイアログボックスを開き、「スライド」タブ内で「スライド番号」のチェックボックスがオンになっているかを確認してください。もしオフになっていれば、これをオンにして「すべてに適用」をクリックします。
次に確認すべきは、「タイトルスライドに表示しない」というチェックボックスです。もしページ番号が表示されないスライドが、パワーポイントによって「タイトルスライド」レイアウトであると認識されている場合、このチェックボックスがオンになっているとページ番号は表示されません。意図せずタイトルスライドレイアウトが適用されている可能性も考慮に入れるとよいでしょう。
それでも表示されない場合、最も可能性が高い原因は「スライドマスター」の設定です。「表示」タブから「スライドマスター」を開いてください。そして、該当するスライドが使用しているレイアウトマスター(または親マスター)を確認します。そのマスター上に、ページ番号のプレースホルダー(「<#>」)が存在しているか、また、そのプレースホルダーがスライドの表示領域の外に移動していないかを確認します。
さらに、スライドマスターの「マスターのレイアウト」設定も重要です。「スライドマスター」タブにある「マスターのレイアウト」ボタンをクリックし、表示されるダイアログで「スライド番号」のチェックボックスがオンになっているかを確認してください。ここがオフになっていると、いくら「挿入」タブで設定してもプレースホルダー自体が存在しないため、番号は表示されません。
また、まれなケースとして、ページ番号のプレースホルダー(テキストボックス)の色が、スライドの背景色と同一になっていて、見えなくなっているだけ、という可能性も考えられます。スライドマスターでプレースホルダーを選択し、フォント色を確認してみるのも一つの手です。これらの点を順にチェックしていくことで、問題が解決に向かうかもしれません。
パワーポイントのスライドで番号が連番にならない
パワーポイントのスライドで番号が連番にならないという問題は、通常のスライド編集では起こりにくい現象ですが、特定の操作を行った場合に発生する可能性があります。パワポでページ数を自動で振る機能は、基本的にはスライドの物理的な順序に基づいて番号を割り当てます。
この問題が発生する典型的なケースは、「セクション」機能を利用し、かつ「スライドの開始番号」をセクションごとに設定している場合です。パワーポイントには、多数のスライドを管理しやすくするために「セクション」に分ける機能があります。そして、各セクションの開始スライド番号を任意の値に設定することが可能です(例えば、セクション1は1から、セクション2は10から、など)。この機能が意図せず使われていると、全体を通してみた場合に番号が飛んだり、連番にならなかったりするように見えることがあります。
対処法としては、まず「スライド一覧」表示モード(または「標準」表示の左側サムネイルペイン)で、スライドがセクション分けされていないか確認します。もしセクションが存在する場合、セクション名のあたりを右クリックし、「セクションの編集」や「スライド番号の開始」といったメニューがないか(バージョンにより異なります)、また、そこで開始番号が変更されていないかを確認する必要があります。
もう一つの可能性として、プレゼンテーションを複数のファイルからコピー&ペーストで結合した場合に、元のファイルのスライドマスターの設定や番号設定が不整合を起こしているケースも考えられます。
また、そもそもページ番号が「自動」設定(「<#>」)ではなく、個々のスライドに「手動で」テキストボックスとして番号が入力されている場合も、連番にはなりません。スライドを複製したり順序を変えたりしても、手動入力された数字は変わらないためです。スライドマスターを確認し、ページ番号が「<#>」プレースホルダーによって自動挿入されているかを確認することが重要です。
もし意図的にセクションごとに番号をリセットしているのでなければ、スライドマスターの設定を見直し、「挿入」タブの「ヘッダーとフッター」から再度「スライド番号」を「すべてに適用」し直すことで、スライドの物理的な順序に基づいた連番に戻せる可能性があります。
パワーポイントのページ番号を1から開始したい
プレゼンテーション資料では、表紙(1枚目のスライド)や目次(2〜3枚目のスライド)にはページ番号を表示せず、本文が始まるスライド(例えば4枚目)からパワーポイントのページ番号を1から開始したい、というニーズは非常に一般的です。パワポでページ数を自動で設定するだけでは、通常スライドは1枚目から「1, 2, 3…」とカウントされてしまいます。
この設定を実現するためには、「スライドのサイズ」設定(バージョンによっては「ページ設定」)を利用するのが一般的です。
まず、「デザイン」タブをクリックします。リボンの右端(または「ユーザー設定」グループ内)に「スライドのサイズ」というボタンがあります(古いバージョンでは「ページ設定」かもしれません)。これをクリックし、ドロップダウンメニューから「ユーザー設定のスライドのサイズ…」を選択します。
すると、「スライドのサイズ」ダイアログボックスが表示されます。このダイアログの右下あたりに「スライドの開始番号」という設定項目があるはずです(バージョンによっては「スライド開始番号」などと表記が異なる場合があります)。
デフォルトではここが「1」になっているか、自動(空白)になっています。もし、4枚目のスライドからページ番号「1」を開始したい場合、ここを調整します。具体的には、3枚のスライド(表紙、目次など)をカウントから除外したいので、「-2」や「0」、「-1」といった値を設定します。(例:開始番号を「0」に設定すると、1枚目が0、2枚目が1、3枚目が2、4枚目が3…となります。開始番号を「-2」に設定すると、1枚目が-2、2枚目が-1、3枚目が0、4枚目が1、となります)。
どの値を設定すれば4枚目が「1」になるかは、バージョンや現在の設定によって試行が必要かもしれませんが、多くの場合、開始番号を「0」や「-1」、あるいは「-(除外したいスライド枚数 – 1)」に設定することで調整が可能です。例えば、開始番号を「0」に設定すると、物理的な1枚目(表紙)は「0」、2枚目(目次)は「1」、3枚目(本文開始)は「2」となります。もし3枚目から「1」にしたい場合は、開始番号を「-1」に設定すると、1枚目「-1」、2枚目「0」、3枚目「1」となります。
この「スライドの開始番号」を設定した上で、表紙や目次のスライドではページ番号を非表示にする設定(次の項目で解説)を組み合わせることで、目的の表示が実現できる可能性が高まります。
特定のスライドだけページ番号を非表示にする
パワポでページ数を自動で挿入すると、原則としてすべてのスライドに番号が表示されます(スライドマスターの設定に従います)。しかし、表紙、目次、あるいはセクションの区切りとなるスライドなど、特定のページだけページ番号を非表示にしたい場合があります。
この操作を行うには、いくつかの方法が考えられます。
最も簡単な方法は、表紙(タイトルスライド)の場合です。「挿入」タブの「ヘッダーとフッター」ダイアログボックスには、「タイトルスライドに表示しない」というチェックボックスがあります。これにチェックを入れて「すべてに適用」をクリックすると、「タイトルスライド」のレイアウトが適用されているスライド(通常は1枚目)のページ番号、日付、フッターがまとめて非表示になります。
しかし、非表示にしたいスライドがタイトルスライドではない場合(例えば、目次やセクション扉など)、この方法は使えません。
その場合に利用できるのが、個別のスライド設定です。まず、ページ番号を非表示にしたいスライドを標準ビューで選択します。次に、「挿入」タブから「ヘッダーとフッター」ダイアログを開きます。ここで「スライド番号」のチェックボックスをオフにします。そして、「すべてに適用」ではなく、「適用」ボタンをクリックします。これにより、現在選択されているスライドにのみ、ページ番号を非表示にする設定が適用されるはずです。
もう一つの方法は、非表示にしたいスライド専用のレイアウトをスライドマスターで作成することです。「表示」タブから「スライドマスター」を開き、既存のレイアウトを複製(または新規作成)して、その特定のレイアウトマスターからページ番号のプレースホルダー(「<#>」)自体を削除(または「マスターのレイアウト」で「スライド番号」をオフ)します。そして、標準ビューに戻り、非表示にしたいスライドに、今作成した「ページ番号なし」のレイアウトを適用します。この方法は、複数のスライドで番号を非表示にしたい場合に、管理がしやすくなる可能性があります。
これらの方法を使い分けることで、プレゼンテーションのデザインや構成に応じた柔軟なページ番号の管理が期待できるでしょう。
レイアウトごとに異なるページ番号設定
パワーポイントでは、スライドマスター機能を利用することで、スライドの「レイアウト」ごと(例:「タイトルとコンテンツ」「セクション見出し」「白紙」など)に、ページ番号の表示・非表示や、その書式・位置をある程度コントロールすることが可能です。
パワポでページ数を自動で設定する際、通常は「親マスター」(スライドマスター表示の左側一覧の一番上)で設定を行い、その設定がすべてのレイアウトマスター(その下に連なるスライド)に継承されます。
しかし、もし特定のレイアウト(例えば「セクション見出し」レイアウト)だけ、ページ番号の位置をパワポのページ数を自動で真ん中にし、他のレイアウト(例えば「タイトルとコンテンツ」)ではパワーポイントのページ番号を右上にしたい、といった複雑な設定を行いたい場合、レイアウトマスターごとに個別に設定を変更する必要があります。
手順としては、「表示」タブから「スライドマスター」を開きます。まず親マスターで基本的なページ番号設定(「<#>」プレースホルダーの存在確認など)を行います。次に、異なる設定を適用したいレイアウトマスター(例えば「セクション見出し」レイアウト)を左側の一覧から選択します。
ここで注意が必要なのは、レイアウトマスター上のプレースホルダー(「<#>」を含む)は、デフォルトでは親マスターの設定に従っている(リンクしている)点です。もし、このレイアウトマスター上にある「<#>」プレースホルダーをドラッグして位置を変更したり、書式を変更したりすると、そのレイアウトマスターは親マスターの設定から独立した設定を持つことになります。
例えば、「セクション見出し」レイアウトマスターの「<#>」を中央下に移動させ、「タイトルとコンテンツ」レイアウトマスターの「<#>」を右上に移動させるといった操作が可能です。
ただし、この方法はプレゼンテーションの構造を複雑にする可能性があります。親マスターの設定を変更しても、個別に変更を加えたレイアウトマスターにはその変更が反映されなくなるため、後々のメンテナンスが煩雑になることも考えられます。
また、レイアウトマスターで「フッター」のチェックボックス(「スライドマスター」タブ内)をオフにすると、そのレイアウト全体のフッター(ページ番号、日付、フッターテキスト)が非表示になるため、特定のレイアウトだけページ番号を非表示にしたい場合にも、この方法が応用できるかもしれません。
パワポのページ数を自動で管理する方法のまとめ
今回はパワポでページ数を自動で振り、スライド管理を楽にするテクニックについてお伝えしました。以下に、本記事の内容を要約します。
・パワポのページ数自動設定は「挿入」タブの「スライド番号」から開始できる
・「ヘッダーとフッター」ダイアログで「スライド番号」にチェックを入れる
・「すべてに適用」で全スライドに、「適用」で選択スライドのみに反映される
・「タイトルスライドに表示しない」で表紙の番号を非表示に設定可能
・全体のページ番号管理には「表示」タブの「スライドマスター」が鍵となる
・スライドマスターの親マスター(一番上)で設定すれば全レイアウトに反映される
・ページ番号のプレースホルダーは「<#>」で示される
・スライドマスター上で「<#>」の位置を動かせば配置(右上・真ん中など)が変わる
・パワポのページ数を自動で右上にするにはマスターの「<#>」を右上に移動
・パワポのページ数を自動で真ん中にするにはマスターの「<#>」を中央下に移動
・パワーポイントのページ番号の分母(総数)の自動挿入は標準機能では難しい
・総スライド数(分母)はスライドマスターにテキストボックスで手動入力が代替案
・パワーポイントのページ番号が表示されない原因は「挿入」設定と「マスター」設定の両方を確認
・スライドマスターの「マスターのレイアウト」で「スライド番号」がオンか確認する
・パワーポイントのスライドで番号が連番にならない場合セクション設定や手動入力を疑う
・パワーポイントのページ番号を1から開始するには「デザイン」タブの「スライドのサイズ」設定を変更
・「スライドの開始番号」を0や負の数に設定して開始ページを調整する
・特定スライドの番号非表示は「ヘッダーとフッター」で「適用」ボタンを使う
パワーポイントのページ番号設定は、スライドマスターと「挿入」タブの機能が連動しているため、最初は少し複雑に感じるかもしれません。しかし、スライドマスターの仕組みを一度理解してしまえば、大量のスライド管理も効率的に行えるようになるでしょう。
資料の目的に合わせて、ページ番号の表示/非表示や配置を適切に設定することで、より分かりやすく、プロフェッショナルなプレゼンテーション資料の作成が期待できます。
これはCTAサンプルです。
内容を編集するか削除してください。